2017/09/27

ハッキングにより個人情報が流出したらFX会社は損失分を補償してくれるのでしょうか?

FXのリスク

2010年からFX業者の「全額信託保全」が法令により義務づけられ、顧客の資産は分別管理されるようになりました。万一証券会社が倒産しても私たちトレーダーが取引口座に預け入れた証拠金は返還されるシステムになり、安心してFXを始められるようになりました。

しかし、それでもFXには様々な「リスク」が存在します。その一つが、「為替変動リスク」です。たとえばドル円が1ドル=100円の時にドルを1万通貨購入して1ドル=105円になった時に保有ポジションを決済すれば、(105-100)×10,000=5万円の為替差益を獲得することができます。相場が自分の予想通りに動いてくれれば良いですが、もしも逆方向に振れてしまった場合、この儲け分が損失に転じてしまうリスクをはらんでいます。

この為替変動リスクはチャートを注意深く観察しながら早めに損切りすることで、トレーダー自身により管理することが可能です。その一方、トレーダーが頑張ってもどうにもならないリスクもあります。それが、「電子取引システムに係るリスク」です。

電子取引システムに係るリスクとは?

アクセスが集中しすぎてサーバがダウンしたり、一時的に通信障害が発生して注文が正常に処理されなかったりする事態は現実的に起こり得ます。せっかくの取引チャンスが到来しても肝心のシステムが稼働していないので、私たちトレーダーは一刻も早く復旧してくれることを祈りながら指をくわえて見ていることしか出来ません。

そしてもっと厄介なのが「ハッキング」です。近年では金融機関を狙った不正アクセスが急増しており、外為どっとコム、ヒロセ通商、マネースクウェア・ジャパン、マネーパートナーズ、FXトレード・フィナンシャルなど多くのFX業者がDDoS攻撃を受けました。一時的にアクセスしづらい状況が続いただけでなく、顧客の個人情報の一部が漏洩してしまった所まであります。

真偽は不明ですが、国連の経済制裁で追い詰められている北朝鮮のハッカーグループが活動資金を集めるために世界中の金融機関を狙っているのではないかという説もあります。大量の現金を運ぶのは非常に手間のかかる作業である一方、電子化された金銭データは指先一つで自在にコントロールできるため、犯罪者にとって格好の標的にされるリスクがあります。まさに長所と短所は表裏一体。この種の犯罪は永久にインターネットと切り離すことは出来ないでしょう。

ハッキングによる被害は補償されるのか?

通信障害による損失は基本的に補償の対象外です。ただし、取引約款の文面は各証券会社によって異なるものの、「自社に過失があると認められる事由で顧客のログインID・パスワード等が漏洩・盗用されたことにより生じた損害」は証券会社側で補償されるケースが多いようです。最近ではbitFlyercoincheckなどの仮想通貨取引所が「ハッキングによる盗難補償」を大々的に打ち出しており、業界全体で個人トレーダーの資産保護に力を入れています。

ただし、約款に書かれている「自社に過失があると認められる事由」という文言が曲者。運営の警告を無視して簡単に推測されるような単純なパスワードを長期間利用していた等、トレーダー側に非があると判断されるケースでは補償がなされない確率も0ではないという事に注意する必要があります。

トレーダーはどのようなハッキング対策を講じれば良いのか?

ハッカーに不正にログインされて送金・取引されないようにするためには、基本的なことですが定期的にパスワードを変更することが重要です。単純すぎるパスワードを使ったり他のWebサイトのパスワードを使い回したりするのを避け、大文字・小文字・記号等を散りばめたセキュリティレベルの高いパスワードをつかいましょう。

もしも自分の個人情報が流出してしまった場合、迷惑メールが大量に送られてきたり不審な勧誘電話がかかってきたりする恐れがあります。怪しいメールを開封しない、詐欺師のたわごとを真に受けない、そして早めに警察や消費生活センター等に連絡・相談することが肝心です。

オンライントレードにおける情報管理は、証券会社と個人トレーダーの共同作業です。証券会社に全て任せるのではなく、自分の使う端末にも信頼性の高いセキュリティソフトを導入するなど、日々ハッキングを警戒する心がけを忘れないことが大切です。

          
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