2015/10/29

JESCOホールディングスのIPO、プラスリターンはどれほど期待してよい?

東証2部において、「JESCOホールディングス」(証券コード1434)のIPO(新規上場)が行われます。

想定価格は510円、ブックビルディング期間は8月20日(木)から8月26日(水)まで、上場予定日は9月8日(火)です。

JESCOホールディングスは空調衛生工事、電気通信工事、電気設備工事、デジタルサイネージなどの事業を行う企業であり、「安心して暮らすことができる社会作りに貢献する」と「FOR SAFETY FOR SOCIETY」を基本理念としています。

本社は東京都新宿区新宿1-8-4 JESCO新宿御苑ビルに所在し、トーマツがJESCOホールディングスの監査法人を務めています。

JESCOホールディングス(各種工事・デジタルサイネージ事業)が新規上場します

各種工事とデジタルサイネージ事業を主たる業務とするJESCOホールディングスの新規上場が行われます。

JESCOホールディングスは

従業員数25人、
社員の平均年齢37.8歳、
社員の平均勤続年数5.6年、
平均給与額およそ459.0万円

の企業です。

JESCOホールディングスでは3つの事業セグメントとして、

「国内EPC事業」
「アセアンEPC事業」
「総合メディア事業」

の展開を行っています。

主に元受事業者である顧客に対して、工事に関する

・「Engineering(工事の基本設計及び実務設計)」
・「Procurement(工事の施工に必要な資材の調達)」
・「Construction(協力会社に委託する施工の管理)」

などの事業を行っており、これらはその頭文字から「EPC事業」と呼ばれているのです。

またその他にJESCOホールディングスでは「デジタルサイネージ事業」も行っています。デジタル技術をを活用した各種の映像や情報を平面ディスプレイ上に表示する広告媒体がデジタルサイネージです。

現在デジタルサイネージは駅や空港の案内板や各種商業広告などに活用されています。

国内EPC事業について

JESCOホールディングスでは国内EPC事業として、保守メンテナンス・施工管理・調達・設計などの業務を、電気通信工事や電気設備工事などの領域において展開しています。

主に機器設置・配線・配管などの工事を太陽光発電施設・道路付帯施設・防災行政無線・移動体通信基地・商業施設などを対象として、設計事務所・電気機器メーカー・建設会社などから受注しているのです。

それぞれの事業の詳しい内容としては、

・保守メンテナンス業務として機器引渡し後のシステム品質維持のための保守点検作業、
・施工管理業務として外注先が行う工事に関する原価管理・品質管理・安全管理・工程管理などの作業、
・調達業務として資材の選定・発注や完成後の設置・引渡し作業、
・設計業務として工事設計図面の作成作業

などをそれぞれ行っています。

さらに上記の各種業務を一貫して行うことができる体制を、JESCOホールディングスでは整えているのです。

アセアンEPC事業について

JESCOホールディングスのアセアンEPC事業は、主にアセアン地域をその対象としたEPC事業です。実際の事業についてはJESCOホールディングスの連結子会社である「JHE」「JESCO ASIA」の2社が担当しています。

ベトナムなどを中心とするアセアン地域において、通信機器メーカー・電気設備メーカー・建設会社などから道路付帯施設・商業施設・工場・空港・発電所などを対象とした案件を受注し、

空調衛生工事・電気通信工事・電気設備工事・建築工事などの事業領域における保守メンテナンス業務・施工管理業務・調達業務・設計業務などを行っているのです。

実際の業務の詳細な内容などについては国内におけるEPC事業とほぼ同様になります。

「JHE」では主に空調衛生工事・電気通信工事・電気設備工事などにおける保守メンテナンス業務を担当していますし、

また「JESCO ASIA」では主に電気通信工事・電気設備工事・建築工事などにおける保守メンテナンス・施工管理・調達・設計などの業務を担当しています。

総合メディア事業について

JESCOホールディングスでは総合メディア事業として、広告主や広告代理店を主な顧客とするデジタルサイネージ事業を行っています。

具体的には高速道路などから見える場所にLEDビジョンの設置を行い、これを活用した各種広告事業を展開しているのです。

実際の業務についてはJESCOホールディングスの連結子会社である「TMC」が担当し、大型LEDビジョン装置の設置に関する企画立案・設計・設置・運用・コンテンツ制作・メンテナンスなどを一貫して行っています。

またさらに多目的集客施設を対象とした各種機材の設計・資材調達・施工管理・運用管理・貸し出し業務なども行っています。

JESCOホールディングスが行う事業の特徴について

・独立系として受注の安定に努めています
JESCOホールディングスが事業を展開している設備工事業界においては、元請業者を中心に複数の下請業者とによるグループが形成されることが一般的です。

グループ内においては特定の元請業者から特定の下請業者に対して工事が発注されますし、下請業者は特定の元請業者からのみ仕事を受注することになります。

この場合に下請業者は特定の元請会社に依存することになりますので、元請会社の都合などによりその業務の受注量が大きく変動することになるのです。

このような弊害を避けるためにJESCOホールディングスでは特定のグループに属することなく、独立系として受注の安定に努めています。

JESCOホールディングスでは創業時から様々な通信機器メーカー・電気設備会社・建設会社などとの関係をバランスよく構築し、特定の元請業者に依存しないことを基本方針として取引を続けてきました。

様々な元請業者からの多岐に渡る工事案件を受注することによって、JESCOホールディングス及びJESCOホールディングス協力会社における業務安定化を実現しています。

・一貫したビジネスを受注できる体制を構築しています
JESCOホールディングスが事業を展開している設備工事業界、特にその中でも電気通信工事や電気設備工事にかかる業界においては、その工種や工程などにより工事を担当する事業者が細分される場合が多くなっています。

この場合にはそれぞれの工種や工程ごとに別途事業者を選定することが必要ですから、それだけ手間や費用コストなどが増加してしまうことになります。

JESCOホールディングスグループではこのような業界環境の中で同業他社との差別化を図るために、工事案件に関する保守メンテナンス・施工管理・調達・設計などの各種の業務をすべて行うことができる体制を構築しています。

工事に関する案件を一貫して受注することで費用の軽減や工期の短縮などを実現し、さらに元請業者の利益確保や継続的な工事案件の受注にも貢献しているのです。

・「ジャパンクオリティ」と「低コスト」を実現しています

平成13年にベトナムにおける設計業務の品質向上とコスト削減を目的として、アセアンEPC事業を担当する「JESCO ASIA」が設立されました。

「JESCO ASIA」では現地で採用した多くのベトナム人に充実した日本語研修を行い、設計実務などを担当させることによって語学力と実務能力とを兼ね備えた従業員を育成しています。

さらに工事作業員に対しても危険予知ミーティング・朝礼・保護具の着用・作業着衣指導などの日本と同様の教育を行い、実際の作業現場では国際電気標準規格(IEC)に準拠した規格による施工を実施しています。

これらの取り組みによって、日本と同様の高い品質の施工(ジャパンクオリティ)をベトナムの安い人件費(低コスト)で実現し、日本及びベトナムの元請業者の利益確保と工事案件の継続的な受注のために貢献しているのです。

・安全・品質の確保に力を入れています
JESCOホールディングスではその創業時において、高い安全基準が要求される原子力発電所での格納容器の放射能漏洩率試験(リークテスト)業務を行っていたことなどから、安全や品質に対しては常に高い意識を持って事業に取り組んできました。

具体的には品質に関する国際規格ISO9001の認証登録を平成11年1月に取得していますし、また労働安全衛生に関する国際規格OHSAS18001の認証登録を平成16年4月に取得しています。

様々な国際資格を積極的に取得することにより安全や品質の確保に努めてきたのです。

また年二回の安全大会の開催や、JESCO安全衛生協議会の組織化、さらに各種研修の開催などにより安全や品質に対する意識向上に取り組んでいます。

特にJESCO安全衛生協議会はJESCOホールディングスグループ及びその取引先で組織され、工事の品質向上・設備事故の防止・労働災害の防止・安全衛生管理などに取り組んでいるのです。

業績の推移について

JESCOホールディングスの業績については、売上高・経常利益・純利益のすべてに年度によるばらつきがありますが、トータルでは右肩上がりの増加となっているようです。

営業キャッシュフローについては純利益を上回るプラスで推移しています。前期における自己資本比率は12.3%、自己資本利益率は31.1%です

市場トレンドについて

初値については、上昇トレンドが上場直前3ヶ月間続いていればインデックスの高いリターンが期待できるようです。

東証2部指数では上昇トレンドが継続していましたが、現在はギリシャや中国などの影響により不安定な動きが続いています。

上場規模について

最大で11.7億円ですから、JESCOホールディングスの新規上場の規模は東証2部としては小型になります。上場規模が小さい方が初値は高くなることが多いようです。

また公開比率については38%と高めです。公開比率は低い方が高い初値リターンを期待することができます。売出しが公募株式数に占める割合は38%です。

90日間のロックアップが

日本生命保険相互会社、株式会社日本テクノロジーベンチャーパートナーズ、

ヤマト電機株式会社、株式会社新川、西武信用金庫、株式会社三井住友銀行、

三菱UFJキャピタル株式会社、京セラコミュニケーションシステム株式会社、

日本コムシス株式会社、SMBCファイナンスサービス株式会社、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社、

西武しんきんキャピタル企業投資1号投資事業有限責任組合、金田孟洋

に対して設定されています。ロックアップの解除は1.5倍で行われます。

また同様に90日間のロックアップが川島清一、秋山正樹、古手川太一、向井久志、中牟田一、唐澤光子、加藤直行、有限会社T&Mコンサルティングに対して設定されています。

こちらについてはロックアップの解除条項などは特に設定されていません。

制度ロックアップとして、継続所有等の確約を上場前の第三者割当等を受けた者との間で行っています。

JESCOホールディングスのIPOについてまとめてみました

空調衛生工事事業・電気通信工事事業・電気設備工事事業・デジタルサイネージ事業などを行う企業がJESCOホールディングスですので、業種の面からはIPO人気はあまり期待できません。

ただし業績全体が右肩上がりの成長となっていることや、東証2部としては小型である11.7億円という上場規模などはプラスの評価になります。

ちなみに近年の東証2部における上場規模15億円以下のIPOの結果については以下のとおりです。

・サンヨーホームズ(+78.6%)
・エンビプロ・ホールディングス(+48.6%)
・ヤマシンフィルタ(+19.6%)
・ホクリヨウ(+8.9%)
・アジュバンコスメジャパン(+4.8%)
・ダイキアクシス(+3.9%)
・竹本容器(+2.0%)
・阿波製紙(+0.3%)
・パンチ工業(-5.4%)
・東京ボード工業(-8.0%)
これらから総合的に判断すると、初値については公開価格近辺が予想されます。

公募割れの可能性は少なく、若干のプラスリターンが期待できるのではないでしょうか。

野村證券が主幹事であり、その他にはSMBCフレンド証券、SBI証券、エース証券、SMBC日興証券でも申し込むことができます。今回の幹事団には参加していませんが、完全抽選制によってIPOの配分を行うマネックス証券は小口投資家でも当選しやすいですから、IPOにチャレンジしたい人には是非とも口座を開設することをおすすめします。また現在口座数が少ない岡三オンライン証券なども同様におすすめです。

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