2015/10/15

新規上場した「大冷」(業務用冷凍食事業)、初値プラスリターンは期待薄か

東証2部において、「大冷」(証券コード2883)のIPO(新規上場)が行われます。

想定価格は1770円、仮条件は1700円から1800円、ブックビルディング期間は12月2日(火)から12月8日(月)までとなっています。

大冷では国内における弁当仕出し、医療食、外食などのエンドユーザーに向けて業務用冷凍食品の企画販売を行っており、「安全安心を優先に顧客に満足と感動を提供する」という経営理念を掲げています。

築地市場、聖路加国際大学、首都大学東京晴海キャンパスなどに近い東京都中央区月島2丁目3-1に本社があります。またあずさ監査法人が監査法人になります。

大冷(業務用冷凍食事業)が新規上場します

業務用冷凍食品事業を主たる業務とする大冷の新規上場が行われます。大冷は従業員数157人、社員の平均年齢39.9歳、社員の平均勤続年数12.7年、平均給与額およそ574.6万円の企業です。

食品業界における景気変動による影響を最小限とするために、大冷ではファブレス形態(当社の検査基準を満たす製造先に製造委託を行う形式)のビジネスモデルを採用しています。

日本、タイ、ベトナム、中国などにおける国内外の協力工場において自社ブランド商品の製造を行い、これを日本全国のユーザーや問屋に対して販売しているのです。

商品の保管や物流などを外部業者に委託することで、顧客の利便性向上に貢献する1ケースからの翌日配達が可能なデリバリーシステムを構築しました。

大冷では業務内容を新商品の企画立案や商品化の決定などに特化していることが大きな特徴になっています。

エンドユーザーからの要望を営業担当者が社内において共有化し、開発担当者がこれを満たす商品の新規開発や改良を行うのです。

委託製造先による試作品をもとにして、月1回の会議において新製品候補の絞込みや選定を行います。またその他には特定ユーザーの要望に応じたPB商品の製造も行っています。

専任の営業担当者と開発担当者を任命することにより密接なコミュニケーションを図りながら特定ユーザーの要望に特化した商品開発を行い、さらに社外の製造委託先工場や検査機関との連携によってスピーディーな商品化を実現しているのです。

骨なし魚事業について

大冷ではエンドユーザーからの「魚の骨を医療食用や介護食用に全て取り除いた商品を開発して欲しい」という要望に対応するために、「骨なし魚」を平成10年に開発しました。

加工技術などについてはその後さらに改良を重ねた結果、

「施設調理用冷凍揚物の製造方法及び施設調理用冷凍揚物」
「湯せん・蒸し調理用魚介類包装冷凍食品及びその製造方法」
「凍ったまま調理できる冷凍魚の製造方法および冷凍魚」
「加熱処理した魚の製造方法」
「冷凍骨抜き魚身及びその加工方法」

という5種類の製造に関する特許を取得しているのです。

さらに大冷ではエックス線検査によって骨なし魚の残骨チェックを行っています。

大冷が開発した「骨なし魚情報トレースシステム」は、重篤なクレームに対する迅速な対応を可能にするとともに、協力工場などにおける製品品質の向上のためにも大いに役立っているのです。

また海外の協力工場については日本人による駐在員の配置を義務付けることにより、さらなる品質の向上を目指しています。

現在取り扱っている骨なし魚は、日本人にはおなじみのサケ、サバ、サンマ、サワラなど35種類(平成26年3月現在)となっています。

また大冷では現在

「楽らくクックシリーズ(凍ったままの調理が可能で冷めても柔らかさが持続します)」
「楽らく旨味シリーズ(楽らくクックシリーズの特徴をすり身に活用しました)」
「楽らく調味シリーズ(厳選した調味料の使用による手作り感が特徴です)」
「骨なし魚シリーズ(楽らくシリーズの処理を行わないシンプルな骨なし魚です)」

などの商品展開を行っています。

ミート事業について

大冷では骨なし魚事業で開発した加工技術をミート事業にも応用しました。

その結果築肉食品の分野において「楽らく匠味シリーズ」を新商品として開発したのです。

「楽らく匠味シリーズ」では肉の残しながら冷めても柔らかさを持続し、さらに肉独特の臭みを軽減することに成功しました。

現在は

「楽らく匠味牛切落し」「楽らく匠味鶏もも切身」「楽らく匠味豚肩ロース切身」

などの素材シリーズや、

「楽らく匠味スチコンチキンカツ」「楽らく匠味蒸し鶏」「楽らく匠味パック入り豚角煮」
などの調理品シリーズなどの充実した商品展開を行っています。

またミート事業では「楽らく匠味シリーズ」以外にも、「アメリカンドッグ」「あら挽き串ざしフランク」などの製品も扱っています。

今後は内臓系を活用した新商品や医療食ルートの開発などに力を入れることで、ミート事業を骨なし魚事業に続く事業の第二の柱とすることを目指しているのです。

その他の事業について

大冷では製造委託先からの提案などを参考にして、冷凍調理品、冷凍水産品、冷凍野菜などの品目の取り扱いも行っています。

コロッケ、白身フライ、アジフライなどの冷凍調理品については、比較的ベーシックな価格帯の商品開発に力を入れることによって今後の底上げによる安定した売上の達成を目指しています。

また比較的原材料に近く加工度が低い冷凍水産品や冷凍野菜については、為替や需給バランスなどの変動による影響を受けやすいため、今後は取り扱いの割合を減らしていく予定となっています。

業績の推移について

大冷の業績については売上高は若干の増加が続いています。

また経常利益は美しい右肩上がりです。純利益についても平年24年3月期以外は右肩上がりの成長となっています。

2013年12月期の自己資本比率は48.8%、自己資本利益率は24.0%です。また営業キャッシュフローは純利益を下回る数字となっています。

市場トレンドについて

初値については、上昇トレンドが上場直前3ヶ月間続いていれば高いリターンが期待できるでしょう。

東証2部指数は10月を底として上昇が続いていますが、東証1部(トピックス)などと比較すると上値が重い展開になっています。

上場規模について

最大で30.5億円ですから、大冷の新規上場の規模は東証2部の上場としては標準的だといえるでしょう。上場規模については小さい方が初値が高くなることが多いようです。

また公開比率は29%とやや高めです。

株式会社フルタ、川田剛、工藤茂、三河幸一、黒川岳夫、

神尾千尋、高付広昭、苅田英範、冨田史好、岩佐成泰、

齋藤修、西村信義、関秀和、古田耕司、阿部和行、正林淳生、青木伸一

にロックアップが90日間設定されています。ロックアップについては特に解除条項などは設定されていません。

大冷のIPOについてまとめてみました

大冷は冷凍食品の取り扱いを行う地味な企業であり、また東証2部上場ということから機関投資家などの需要も少ないようです。

本年度の東証2部のIPOでは

ヤマシンフィルタが+19.6%
日本BS放送が+6.6%
日本ビューホテルが-2.3%
OATアグリオが-6.3%
丸和運輸機関が-8.8%

であり、トータルでは2勝3敗という結果になっています。

また多くの企業のIPOが集中する上場スケジュールであることもマイナスの評価となります。初値については公開価格近辺から若干のマイナスとなることが予想されます。

ただしIPOについては低評価ですが、上場後については比較的割安な銘柄として株価が上昇するかもしれません。

PBRは1.27倍、PERは11.86倍ですし、配当利回りについても2.5%程度が期待できるはずです。

また業務内容からは将来の株主優待も期待できます。同業種である横浜冷凍では既に株主優待を行っていますので、大冷も株主優待を新設する可能性は高いといえるでしょう。

三菱UFJモルスタ証券が主幹事であり、その他にはエース証券、丸三証券、SMBCフレンド証券、SMBC日興証券、みずほ証券、マネックス証券、SBI証券などでも申し込むことができます。

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