2015/09/26
IPOの売り時のタイミングは初値が基本であるワケを理解しておくべき理由
IPO株を手に入れた場合、どこかのタイミングで売ってしまわないと売却益は得られません。長期投資で保有するつもりであれば別ですが、基本的には売るタイミングを知っておきましょう。
当然ながら、買った値段よりも売る値段が高くないと利益が出ないのはどんな株式取引でも同じです。IPOも最も高くなったときに売るのが理想です。その中ではリスクが比較的低く済む、最初に市場で値段がつくとき、つまり初値で売ることです。これが基本になります。
では、売却の際の方法を紹介します。IPO株は成行売りか指値売りで注文を出すことになります。
まず、成行売りは上場した日に初値でIPOを売却する注文方法です。例えば初値が2000円であれば2000円で約定となります。初値がついた時点で売れるので、とてもシンプルな方法になっています。ただし、稀に上場日で初値がつかないこともあり、そのときは売り注文は出せません。
次に指値売りはIPOの希望売却価格を示して取り引きする方法です。これを利用する投資家は主に証券会社から発信されるIPO初値予想データなどを参考に指値を決定しています。例えば、指値を3000円に設定すると、初値が2000円では約定されず、初値3000円で即約定です。また、初値が4000円と上回っているときは指値ではなく初値の4000円で約定されます。つまり、指値売りは指値以上の値段で約定させる注文方法ということになります。
しかし、指値注文は設定額を高くしてしまうと約定せずにIPOが手元に残るリスクがあります。場合によってはその後にどんどん値が下がることもあるので注意です。もし成行であればその後にIPOが高騰しようが暴落しようが、気にする必要はありません。高騰したらがっかりするかもしれませんが。
上場初日に初値がつかないこともあります。その際はいずれにせよ約定はしません。これは人気銘柄だと特別気配の状態になって売買が成立しないからです。特別気配というのは、買いたい人とが売りたい人が一方に偏ってしまった状態のことを指します。買いが多いと株価が上がるとされ、売りが多いと株価が下がるとされています。
注意したいのは成行注文の場合、注文有効期間は当日のみなので、初値が翌営業日に持ち越された場合は改めて成行売りの注文を出さなければなりません。再注文を忘れないようにする必要があります。
なぜ初値で売るのがいいのか
IPOを初値で売ることには大きな意味があります。
IPOは上場後に相場が必ず変動していきます。有名企業の子会社や勢いのある会社だけが上場するとは限りません。ですので、基本的には初値は公募価格よりもずっと高くなる傾向にはあるのですが、場合によっては下がることもありますし、初値はそこそこになっても、それ以降の相場変動が不利に働き、初値や公募価格よりも株価が下がってしまうこともあります。
ですので、高確率で初値が高くなるIPOをリスクを負うことなく売却するとすれば、初値のときが最もいいのです。
今一度IPOの売り方のパターンをまとめてみると、次のような3種類になるかと思います。
- 初値で売却
- 初値が形成されたあとにさらなる株価上昇時に売る
- 初値が形成されたあとに、相場が反転して株価下落した瞬間に売る
初値で売ってしまうと、その後値上がりした場合はもっと儲けられたかもしれないという後悔があるかもしれませんが、多くの場合、買値よりも高くなっているので利益は確実に出ているかと思います。少なくともそこにはリスクはありません。
初値で売らずにさらに株価上昇を待って売る場合、この3パターン中では最も利益が出るかと思います。しかし、株価が上がる保証はどこにもありません。初値よりも下がる可能性だってありますし、タイミングを逃せばピークを過ぎているかもしれません。そういったリスクがあります。
相場が反転した時点で売ると、ピーク時に売れていればという後悔と同時に、売れなかったら損をするという焦り、精神的なプレッシャーがかかってきます。初値より高ければいいですが、そうでない場合はただ損をするだけです。これもテクニックで行う投資家もいるかもしれませんが、やはり相場の読み込みに自信がないとできない技です。
というわけで、売るタイミングというのは最もリスクの低い初値で売るというのが一番いいということになります。投資は遊びではないので、冒険をする必要はありません。堅実に儲けるべきなのです。株取引もオンライン化が進んでいるので、ネットに詳しい方も多いかと思います。ネット上でIPOの売るタイミングなどが議論されたり、特定の銘柄の株価の動きの予想が書かれていることもあるかと思いますが、あまり当てにするべきではありません。
とにかく、IPOを手に入れたら初値で売る。これが鉄則です。
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