2018/03/18

中国が5月にソーシャルクレジットシステムを施行予定!日頃の行いが悪いだけで公共交通機関を利用できなくなる社会が現実に!

2018年3月上旬、習近平(シージンピン)主席率いる中国政府が、中華人民共和国国家発展改革委員会のWebサイトにて驚くべき法案を施行する予定であることを発表し、世界中で話題になっています。

中国の全国民の行動を採点する「social credit system(ソーシャルクレジットシステム、社会信用システム)」をいよいよ実稼働段階に移し、2018年5月からはスコアの低い人物に最大1年間公共の交通機関を利用できなくするペナルティを課すというのです。

China to bar people with bad ‘social credit’ from planes, trains
出典:reuters

なぜ中国共産党はこんな恐ろしい法案を発効しようとしているのでしょうか?詳細をまとめてみました。

social credit system(社会信用システム)について

ソーシャルクレジットシステムは、2014年6月頃に中国当局がスタートさせた巨大プロジェクトです。

およそ13億8000万人の中国国民の行動を様々な基準によって採点し、全国民の社会的信用度を数値によって評価・一元管理しようという施策です。(システムの完成は2020年予定)

第三者機関が債券の財務的な信用度を評価する「格付」というシステムがありますが、こちらはその中国国民版と言えるでしょう。

まるでSF映画のように途方もないコンセプトですが、もちろんフィクションではありません。

世界最大規模を誇る大手ネット通販企業・Alibaba(アリババ)、参加の金融グループ・芝麻信用(セサミ・クレジット)など、国内大手のインターネットグループの協力をすでに取り付けており、中国当局はインターネット上で国民の活動を常に監視する体制を構築しています。

日常生活での素行も採点対象に含まれており、社会人として信用を失うようなことをすると、どんどんスコアを減らされていく仕様になっています。

スコアの詳細

ソーシャルクレジットシステムのスコアは、主に以下のような要因で変動します。

身分特質

学歴や職歴など社会的身分に基づくスコア。年齢が高く、社会的貢献度の高い職業に就いている人ほど評価が高い。

人脈関係

家族・同僚などとの交友関係に基づくスコア。人脈の広い人ほど社会的信用度が高く評価される。また、

  • 実家に残した家族を放置している
  • 別れた伴侶と子供を面会させる調停協議を破る

などの不道徳な行為が罰点になる。

履約能力

経済力に基づくスコア。年収が高く、財力のある社会人ほど評価が高い。

行為偏好

日頃の行動に基づくスコア。

  • 交通違反
  • 期限切れの切符を使う等の不正乗車行為
  • 公共の場でトラブルを起こす
  • 虚偽の情報(デマ)をネットで広める
  • 中国共産党が推進している家族計画規則の違反

など、様々な悪事が減点対象となる。

信用歴史

経済活動の信用履歴に基づくスコア。

  • 家賃
  • 公共料金
  • 社会保険料
  • 罰金

等の支払いを滞納すると「失信被執行人リスト (踏み倒しリスト)」に載り、経済的信用度を大きく落とす。

ちなみに、ソーシャルクレジットシステムには企業版もあり、各社に1000~2000点前後のスコアが割り振られています。大手企業ほどスコアが高く、一般公開されている情報は株式取引の指針になります。

どんなペナルティがあるのか?

ソーシャルクレジットシステム上で各国民には350~950程度のスコアが与えられており、問題が発覚すると個人のスコアから罰点分の点数が引かれていく仕様になっています。

そしてこのスコアが低い人物には、様々なペナルティが課されます。

2018年3月時点で、ソーシャルクレジットシステムは上海を含む30以上の地方都市ですでに試験的に導入されており、「ブラックリスト」に載ってしまった国民は

  • ローンを組めなくなる
  • 希望の会社に就職できなくなる
  • 家族が入学試験で落とされる

といった日常生活での悪影響を懸念しています。

そして2018年5月から、公共交通機関の利用を1年間禁止する条例が正式に施行される模様です。

巨大なクラウドコンピュータシステムを利用して収集した13億以上のデータをアルゴリズムで分析し、AI(人工知能)や機械学習を駆使して全国民の信用度を格付けする。ビッグデータの恐るべき利用方法と言えるでしょう。

中国がソーシャルクレジットシステムを推進する理由

共産党は、「中国のさらなる発展のために国家・企業・人民間の信頼関係を再構築する必要があり、信頼を損ねた者は制限されるべきである」という方針のもとで、ソーシャルクレジットシステムを強引に進めています。

「信頼」と言えば聞こえは良いですが、実際には国家に逆らう要注意人物を早期にマークしておきたいというのが本音ではないでしょうか。

2018年3月11日に開催された全国人民代表大会において、中国国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正案が正式に承認されました。

これにより、習近平氏が終身的に国家主席の座にとどまることが可能になりました。

アメリカや日本のような民主主義と違い、中国の政治は共産党を中心とした社会主義です。一党独裁を確立するため、中国の閣僚は強固な支配体制を維持しようと躍起になっています。

ソーシャルクレジットシステムは、まさにその典型例です。

中国当局はすでにAI・GPS・顔認証・犯罪者のデータベースを連結させたシステムを稼働しており、街中に設置された数千万台もの監視カメラで容疑者を短時間で特定できる「スカイネット」を治安維持に活用しています。

最新のITを最大限に活用すれば、中国共産党の支配力は青天井で強まることでしょう。

今後展開される予定

5月から本格施行される見込みの一年間の旅行・渡航禁止ですが、実は数年前から「ブラックリスト」に載った人物に公共の乗り物を使えなくする罰則が段階的に実施されていました。

劣悪な国民が海外の旅行先でトラブルを起こし、

  • フランスのファッションブランド・Zadig & Voltaire(ザディグ エ ヴォルテール)がパリで開業を予定していたホテルが、「中国人はうるさい」という理由で中国人禁止の方針を掲げ批判される
  • ベトナム中部のダナンにあるレストランが「中国人客お断り」の貼り紙を掲げ物議を醸す
  • タイ・チェンライにある仏教寺院のワット・ロンクン(ホワイト・テンプル)が、中国人のマナーの悪さに激怒して中国人の拝観禁止令を出す(後に解除)

といった人種差別騒ぎに発展する事例が少なくありません。

一部の国民のせいで中国全体のイメージが悪化していることを中国当局も重く見ていたようです。2017年時点で、のべ600万人もの中国人が渡航を禁止されたという発表がありました。

今後中国政府は、ソーシャルクレジットシステムに基づいて「罰金」を科す制度を導入していく計画を発表しています。

ネット上での発言も減点対象になるので、共産党に逆らう国民はどんどん取り締まられていくことでしょう。

システムの最終版は2020年に発表される予定ですが、着々と完成に向かっているのが分かります。

海外のネットユーザーの反応

中国はディストピア(ユートピアの逆社会)だな。
ブラックミラーっていう作品でこういう話を見たことがあるぞ。
ジョージ・オーウェルの作品みたいだな。
自分のしたいことをするのが基本的人権だろ。社会的地位で行動を制限されてたまるかよ。
人権?中国当局がそんなものを認めると思ってんのか?
ソーシャルクレジットシステムは究極の大衆支配ツールだよ。みんなもっと真剣に危機感を持った方がいい。
これは始まりに過ぎない。そのうち政府の悪口を言っただけでスコアを下げられるぞ。

まとめ

2020年まであと数年に迫っていることもあって、遂に中国当局がソーシャルクレジットシステムの本格稼働に力を入れてきた印象を受けます。

しかし、万が一にも国際的に活動しているビジネスマンがソーシャルクレジットシステムのペナルティ対象になれば、出張に行けなくなって業務に支障が出る可能性があります。

中国経済に悪影響が出たら本末転倒。はたしてこのシステムは本当に中国にとってプラスになるのか、極めて疑問です。

トランプ政権の進めている鉄鋼・アルミニウムの関税引き上げで米中関係の悪化も懸念されており、今後の中国の出方には要警戒です。

          

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