2018/03/09

ECBは慎重姿勢を維持するも「量的緩和の規模拡大」の文言を削除!一時サプライズのユーロ高に!

出典:lasteles

2018年3月8日に開かれたECB理事会にて、欧州中央銀行は金利の据え置きを発表しました。

注目されていたフォワード・ガイダンス(金融政策の先行き方針)では、「量的緩和は必要に応じて9月末以降も継続」としながらも「必要に応じて規模拡大」の文言を削除しました。

市場ではECBの判断がタカ派的と受け止められ、一時ユーロ買いが進む展開となりました。

ECB理事会の要点

今回のECB理事会では、以下のことが発表されました。

ポイント

  • 主要政策金利は0.00%で据え置き。
  • 預金ファシリティ金利(中銀預金金利下限)を-0.40%に据え置き。
  • 限界貸出金利(上限)を0.25%に据え置き。
  • 金利は現在の水準で長期にわたり維持する見通し。
  • 国債等の資産買い入れは月300億ユーロ(必要に応じて9月末以降も継続。)
  • 「必要であればQE(量的緩和)の規模を拡大」という文言が削除される。
  • 保有債券の償還元本を必要な限り再投資に回す。

また、その後開かれたドラギ総裁の記者会見では、以下のような発言が出ました。

ポイント

  • 以前の予測よりも欧州圏の経済の成長は早い。
  • 2018年の経済成長見通しは+2.4%(前回より0.1%上昇。)
  • 2019年の経済成長見通しは+1.9%(前回と同じ)
  • 2020年の経済成長見通しは+1.7%(前回と同じ)
  • 2018年のインフレ見通しは+1.4%(前回と同じ)
  • 2019年のインフレ見通しは+1.4%(前回から0.1%引き下げ)
  • 2020年のインフレ見通しは+1.7%(前回と同じ)
  • QEに関する文言の変更は全会一致。
  • ユーロ高が進んでいるので、為替の進行と金融環境の変化を注視する。
  • インフレに対する勝利宣言はまだできない。
  • 貿易に関する一方的な決定は危険。

ECBの声明が市場にとってサプライズだった理由

ECBはフォワード・ガイダンスの中で、量的緩和を終了させてから利上げを実施することを決めています。

利上げはその通貨にとって買い材料になるため、市場ではECBが量的緩和を早期に終了して利上げに進むのかどうか見極めようという動きが続いています。

ポイント

  • ユーロ圏は順調に景気回復が進んでおり、ドイツなどの国では賃上げ圧力が強まりつつある。
  • 景気の過熱を警戒するドイツやオランダなどの国は、ECBに対して緩和縮小を急ぐように求めている。
  • しかし、金融緩和を急いでこれ以上ユーロ高を進めると、輸入物価が下落してデフレ圧力が強まる。
  • ユーロ高が進み過ぎると企業収益の悪化にもつながるため、全体的な物価指数などを見ながら慎重に判断しなければならない。

最近のECBはEU圏のデフレリスクは消えたと判断し、金融緩和を少しずつ縮小させていく方針を固めてきました。

2018年1月には、国債などの資産買い入れ額を月300億ユーロ(約4兆円)に半減させています。

そこで次に注目されていたのが、金融緩和の出口に向けて、2018年9月が期限の量的緩和政策を予定通り9月に終了するのか、延長するのかという点でした。

ECBの選択肢

  1. 予定通り9月末できっちり終了する→利上げへの期待感が先行してユーロ高がさらに進むリスクがある
  2. 量的緩和を延長する→安全で現実的な策

大方の予想通り、ECBはリスクの大きすぎる1を回避して2を選択しました。

しかし、これまで「市場の環境が悪化した場合は資産買い入れの規模および継続期間を拡大する用意がある」という方針を示していたECBが、今回の声明文でこの表現を削除しました。

これは、ECBが量的緩和の終了に向けて明確な意思を固めたと解釈できるため、世界中の投資家がユーロ買いに走る結果となったのです。

ECB理事会前後の市場の反応


ECBは今回も無難に慎重姿勢を続けるだろうと予想されていたこともあり、声明文に反応して一時大きくユーロ高に傾きました。しかしその後は大きな材料がなく、再び元の水準に戻っています。

ユーロドルの値動き

  • 1.24付近を推移していたが、欧州時間に入って徐々にユーロ安へ傾斜。
  • ECBの政策金利発表頃には、1.23中盤付近を軟調に推移。
  • タカ派的な声明が発表されると、一気にユーロ高に。一時1.24中盤まで上がる。
  • ドラギECB総裁の発言が終わると、材料出尽くしでユーロ売り。再び1.23台に戻る「行って来い相場」に。

まとめ

最近の市場には様々な悪材料が飛び交っています。

ECBにとって軽視できない不安要素

  • ドル安に連動したユーロ高。
  • ユーロ圏物価指標の伸び悩み。
  • イタリアやスペインなどの地域で進む失業率。
  • イタリア総選挙でポピュリズム政党が躍進したことによる政局不透明感。
  • トランプ政権の進める保護主義的な貿易政策。

個人的にはこの時期にフォワード・ガイダンスの変更はないだろうと予想していたので、今回の結果は見事に裏をかかれました。(笑)

ドラギ総裁も依然として欧州圏の経済は堅調であるという見通しを示しており、改めてユーロの強さが見て取れます。

テクニカル的に見ると、ユーロドルの週足チャートでパラボリックSARが反転しており、上値追いも怖い所。目先は1.22~1.25辺りのレンジが意識されそうです。

さて、次に気になるのは、やはりトランプ政権が進めている関税賦課です。

もしアメリカが強引に関税を引き上げた場合、EUが報復措置をとるとの報道もあり、貿易戦争にでも発展すればさらにドル安・ユーロ高が進む可能性があります

この件に関してはホワイトハウス内でも意見が真っ向から分かれているようで、署名日時についても情報が錯綜しています。

今後も注意が必要でしょう。

          

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