2018/03/07

2018年イタリア総選挙は単独過半数政党なしの結果に!連立政権の発足に時間がかかれば政治リスク再燃か?

出典:express

2018年3月4日に実施されたイタリア総選挙で、開票結果の大勢が出揃いました。

得票順位は、

  1. 中道右派連合(ベルルスコーニ元首相率いる「フォルツァ・イタリア」とサルビー二党首率いる「同盟」を主軸とした野党4党の連合)
  2. 五つ星運動(既存政治の打破を訴える新興勢力)
  3. 中道左派連合(レンツィ元首相率いる与党「民主党」を中核とした親EUの政党連合)

単一政党として最も票を獲得したのは、反体制派のポピュリズム政党・五つ星運動
反移民派の「同盟」も大きく票を伸ばす

という結果となりました。

3陣営とも単独で過半数の議席を獲得するには至らず、いわゆる「ハングパーラメント(hung parliament:宙ぶらりんの議会)」と呼ばれる状態となっています。

市場予想と結果を比較

事前予想では中道右派連合の勝利はほぼ織り込み済みでしたが、第三極の五つ星運動が中道左派連合を沈めるほど票を伸ばしていることに驚きの声が上がっています。

イタリア総選挙の総括

・市場が思い描いていたベストシナリオ

  • フォルツァ・イタリアと民主党による大連立
  • 安定した長期政権により、イタリアがEUと円満な関係を築く

・市場が回避したかった最悪のシナリオ

  • ユーロ懐疑派の「五つ星運動」と反移民の「同盟」が連立し、上下院で過半数の議席を取る
  • イタリアがEUから離脱する可能性が浮上し、政治リスクが高まる

⇒選挙結果

  • 中道左派連合の惨敗
  • 単独過半数の政党が無い
  • 他党と手を組み、連立政権を組まざるを得ない
  • 五つ星運動が政権入りして、EU懐疑主義連合の誕生が現実味を帯びてきた

ちなみにレンツィ元首相は、2014年~2016年の任期中に、解雇規制の緩和などイタリアの経済力を高める改革を積極的に断行した手腕を高く評価されている政治家です。しかし、強硬路線が批判を呼び、2016年12月に憲法改正の是非を問う国民投票を実施した際に敗北して辞任しました。

かつてイタリアの政権を握っていた民主党が大敗したことに、時代の流れを感じます。今回のイタリア総選挙で惨敗した中道左派の民主党のレンツィ党首は、責任を取って辞任するとみられています。

なぜ五つ星運動の人気が高まっているのか?

新興勢力である五つ星運動が旧政権をしのぐほどの勢いを見せている理由として、以下の3つの要因が挙げられます。

ポイント

  • 既存政治への失望感
  • EUに対する不信感
  • 不法移民問題
  • グローバル化やEU・ユーロの恩恵で繁栄している北部に対し、南部は貧困化の一途を辿っている
  • 北部と南部の格差により、イタリア南部の若者は「既存の政治に見捨てられてきた」という怒りを抱えている
  • 戦後最低を更新した低い投票率(およそ73%)にも政治不信が表れている

⇒現状を変えたいという思いから、新興勢力の五つ星運動に期待する声が強まっている

そして近年北アフリカ諸国では政情不安が広がっており、アフリカからヨーロッパを目指す不法移民の数が急増傾向にあります

北アフリカから最も近い場所にあるイタリアが地理的にターゲットにされやすく、今やイタリアに年間10万人もの移民が集まってくると言われています。

移民はイタリアだけでなく周辺の南欧州諸国に拡散していくため、ハンガリーやポーランド、オーストリアといった国々で続々と反移民政権が誕生しています。

今回のイタリア総選挙でも不法移民問題が争点になり、移民を容認する親EU派の中道左派連合が大きく票を落とす原因となりました。

2016年6月23日に行われた国民投票でEUからの離脱(Brexit:ブレグジット)が決まった英国のように、イタリアでも反EU思想が強まってきていることは軽視できない点です。

今後予想される展開

ドイツでは第2党社会民主党(SPD)の党員投票の結果が判明し、賛成多数によりメルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との大連立合意が承認されました。

この結果、5か月余りにも及んだ政治空白が解消され、ユーロの懸念材料がクリアされました。このこと自体は欧州にとってプラスです。

しかし、イタリア総選挙の結果を受け、イタリアの国債と株式相場は下落の動きを見せました。日経平均株価やユーロも下落しており、全体的にリスク回避の雰囲気が漂っています

今後のイタリア情勢の焦点は、連立協議に移るでしょう。

すでに各陣営の党首は水面下で連立交渉を進めているとの報道が伝わっており、その展開次第ではユーロの懸念材料になるかもしれません。

  • 中道右派と中道左派の大連立?→基本路線だが組閣に時間がかかりそう
  • 五つ星運動も政権に加わる?→EUともめそう
大連立政権が樹立されれば政局安定につながり、市場にとってはプラスになる。
万一再選挙にでもなれば、不透明感が長引きイタリア資産の重しになってしまう。

楽観視する意見と不安視する意見の両方が市場で飛び交っており、全体的には膠着状態といったところです。

しかし、ギリシャに次ぐEU内第2位の政府債務残高を持つ借金国イタリアで政治空白が長引くことは、欧州の新たな悪材料としてくすぶる可能性があります

ギリシャ危機
  • 2009年10月の政権交代時に、ギリシャの旧政権が財政赤字を隠蔽していたことを公表。
  • 2010年1月に欧州委員会がギリシャの財務報告の不備を指摘。想像以上の財政悪化が明るみに。
  • 格付会社が続々とギリシャ国債の格付を引き下げる。
    ⇒債券価格のみならず、世界中の株価・ユーロが暴落する事態に発展!

ちなみに現在イタリア国債の格付は、ギリギリ投資適格債として認められるBBBです。

いきなり財政破綻するということはまず考えにくいですが、今後の展開をしっかり注視する必要があるでしょう。

          

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