2020/07/10

無料会計ソフト・エクセル簿記の使い方まとめ!個人事業主の青色申告決算書作成にお勧め!

勤労と納税は表裏一体であり、お金の稼ぎ方を研究する際には、節税を実現できる確定申告のやり方についても同時に思慮を巡らせる必要があります。

簡単に税額を減らせる手段として青色申告を活用する方法がありますが、青色申告者になっても複式簿記の記帳方法や貸借対照表の作り方などが分からなかったら大した節税効果を得られません。

そこで今回は、数ある青色申告ソフトの中から無料で使えるフリー会計ソフト「エクセル簿記」の使い方を紹介しつつ、複式簿記の書き方や青色申告決算書の作成手順などを解説していきます。

本記事を読めば、税制に疎い個人事業主の方でも簡単に65万円控除を適用できるので、ぜひ参考にしてください。

なお、青色申告のことがよく分からない、青色申告の申請手続きがまだ済んでいないという方は、青色申告の始め方についてまとめた以下の記事にも目を通しておくと良いでしょう。

青色申告の始め方を基本から徹底解説!確定申告で最大数十万円の節税を実現しよう!

青色申告での確定申告手順

すでに税務署や都道府県税事務所への必要書類提出を完了しているとして、65万円控除を目指す青色申告選択者がこれから実際に行わなければならないことは以下の3つです。

  • 1月1日から12月31日までに発生した取引の内訳を複式簿記で記帳する(年度途中で開業した場合は開業日から記帳を開始して良い)
  • 取引時に受け取った領収書等の証明書類をすべて保管する
  • 2月中旬~3月中旬の時期に、確定申告書B・損益計算書・貸借対照表を作成し税務署に提出する(控えは保管)

ちなみに各書類等の保存期間は以下の表の通りです。いちいち分けて考えるのは面倒くさいので、まとめて7年保管すれば良いでしょう。

保存が必要なもの 保存期間
帳簿 仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など 7年
書類 決算関係書類 損益計算書、貸借対照表、棚卸表など 7年
現金預金取引等関係書類 領収証、小切手控、預金通帳、借用証など 7年
※前々年分所得が300万円以下の方は5年で良い
その他の書類 取引に関して作成し、又は受領した上記以外の書類(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など) 5年
税制改正により、2020年分の確定申告(2021年の2月中旬~3月中旬に行う確定申告)から青色申告の65万円控除の条件に電子申告が加わるため、確定申告時にe-Taxの利用が欠かせなくなってきます

e-Taxの具体的な使い方は以下の記事で詳しく紹介していますが、基本的に帳簿を見ながらデータを入力していくだけなので、確定申告書B・損益計算書・貸借対照表の作成自体はそれほど難しくありません。

【2020年最新版】e-Taxの使い方を利用開始手続きから納税方法まで徹底解説!初心者でもネットで確定申告できる!

つまり、青色申告は記帳の仕方さえマスターすれば出来たも同然ということです。

それでは、どのようにして記帳を進めれば良いのか?その選択肢として、以下の3つが挙げられます。

  1. 税理士に依頼する
  2. 会計ソフトを利用する
  3. ノートに手書きで記帳する

1の税理士への依頼は、最も簡単な方法です。税法の専門家である税理士と顧問契約を交わせば、記帳から確定申告まで全ての作業を代行してもらえるため、専門知識の習得も不要です。

ただし、税理士への依頼料は安くなく、月額費用が数万円程度、書類作成費用が10万円近くかかる場合があります。

「コストがかかってもいいから税金のことを一切考えたくない」という金銭的余裕者でないと、長年継続利用するのは難しいでしょう。

3の手書きならコストの心配はいりませんが、簿記検定1級レベルの専門知識と経験がないと正確に記帳するのは難しいかもしれません。

個人的にお勧めするのは、2の会計ソフトを使用した記帳方法です。最近では比較的安価で使えるクラウド型の青色申告ソフトも増えており、青色申告に必要な書類データを簡単に作成できます。

個人事業主に人気の青色申告対応会計ソフト5選

会計ソフト名 タイプ 料金 特徴
マネーフォワード クラウド確定申告 クラウド型 パーソナルライト:年11,760円
※1か月間、無料でパーソナルプラン(月額2,480円)をお試し可能
銀行口座、クレジットカード、電子マネー等と連携して履歴を自動取得してくれるので、自分で入力する手間を省ける。
もちろん手入力にも対応しており、初心者から上級者まで幅広い納税者に支持されている。
freee(フリー) クラウド型 スタータープラン:年11,760円
※30日間無料でお試し可能
金融機関との口座同期や証憑保存、書類を直接税務署に送信できる電子申告にも対応しており、便利な機能が充実している。
やよいの青色申告オンライン クラウド型 セルフプラン:年8,000円
※初年度は無料
会計ソフトの大手ブランド「弥生」シリーズのクラウド型。手入力と自動入力、両方のモードに対応しており、必要書類やレポートを自動作成してくれる。
みんなの青色申告 インストール型 9,800円 松岡修造氏がイメージキャラクターを務める個人事業主専用の青色申告ソフト。AIによる金融データの自動取込など、クラウド型会計ソフトに引けを取らない機能が充実している。
ビズソフト ツカエル青色申告 インストール型 パッケージ版:7,400円
ダウンロード版:5,000円
シンプルなインターフェイスで使いやすさを重視した青色申告ソフト。安価ながら金融機関連携機能にも対応している。
※ダウンロード版は12か月ごとに更新が必要(更新料5,000円)
※パッケージ版は無期限で基本機能を使用できるが、ユーザー登録から6か月目に更新しないとオプションやサポート等の基本使用サービスを使えなくなる(6か月更新料5,000円、12か月更新料7,000円)

どのソフトにも簡単に青色申告を行える機能が搭載されており、最終的にどれを選ぶかは自分の好み次第です。

なお、クラウド型にせよインストール型にせよ、税制の変化にあわせて定期的なバージョンアップ作業が必要となるため、長年使う場合にはそれなりの維持費がかかります

会計ソフトにお金をかけたくない方には、フリーソフトの「エクセル簿記」が大変お勧めです。

Microsoft Office ExcelまたはLibreOffice Calcをお持ちの方なら、エクセル簿記を使って記帳から青色申告決算書作成まで全作業を無料で行えるため、個人事業主の確定申告にうってつけです。

ここからは、エクセル簿記の使い方とあわせて複式簿記の記帳方法についても解説していきます。

エクセル簿記について

エクセル簿記とは、福島県郡山市に事業所を構えるKACが開発・管理しているExcel用の無料会計ソフトです。

以下の5つのような特長があり、Vectorビジネス会計用ソフトダウンロードランキングで第1位を記録するほどの圧倒的人気を誇っています。

エクセル簿記の魅力

  • 世界的シェア率を誇る表計算ソフトがベースなので操作が簡単
  • 65万円控除に不可欠な複式簿記による記帳に完全対応
  • 一般用・農業用・不動産用・減価償却用とラインアップが充実
  • マクロを一切使用していないので安全
  • インストール・使用料・更新料等すべて無料!

フリーソフトなので、金融機関と連携した収支の自動入力など高度な機能には対応していません。しかし、「最低限の機能さえあれば十分」という方にとっては理想的な青色申告ソフトです。

日々の収支をエクセル簿記に保存して、確定申告の時期になったらそれを見ながらe-Taxでデータ入力・送信すると良いでしょう。ただしエクセル簿記のデータはクラウドソフトと違ってローカル環境に保存されるため、パソコンが故障したら一巻の終わりです。日頃からバックアップを欠かさないように注意してください。

【2020年最新版】e-Taxの使い方を利用開始手続きから納税方法まで徹底解説!初心者でもネットで確定申告できる!

>>KAC公式サイト

>>KAC公式ブログ

エクセル簿記のダウンロード手順

エクセル簿記を自分のパソコンで使用できるようにするためには、最初にエクセル簿記のデータを無料ダウンロードする必要があります。具体的には、以下の手順を実行してください。

  1. エクセル簿記のダウンロードページにアクセスし、自分に合ったタイプのエクセル簿記のダウンロードリンクをクリック(ここでは一般用で説明を進める)

  2. 「このソフトを今すぐダウンロード」ボタンをクリック

  3. zipファイルを任意の場所に保存し、Windows10に標準搭載されているエクスプローラーの圧縮フォルダーツール等を使って解凍

  4. 解凍したフォルダを開くと、ExcelB.xls、readme.txt、記入例.xlsの3ファイルが出てくるので、ExcelB.xlsをダブルクリック

  5. エクセル簿記が起動

追記:2020年1月中旬に最新版のエクセル簿記バージョン3.6がリリースされました。
元号が「平成」から「令和」に更新されているので、旧バージョンのエクセル簿記を使っている方は早めに無料ダウンロードして記帳データ等を移行してください。(コピペすればOK。)

エクセル簿記の使い方と複式簿記について

エクセル簿記は、以下の8シートで構成されています。

  • はじめに:会計期間、勘定科目コード一覧、摘要文例一覧、注意事項等が記載されているシート
  • 仕訳帳:日々の収支を複式簿記形式で記帳していくシート
  • 決算書1:損益計算書1枚目(売上や経費など全体的な収支を記載するシート)
  • 決算書2:損益計算書2枚目(月毎の収支や給与の内訳等を記載するシート)
  • 決算書3:損益計算書3枚目(減価償却費や税理士報酬等を記載するシート)
  • 決算書4:貸借対照表(期首・期末時点の資産・負債・資本の内訳や製造原価の計算を記載するシート)
  • 元帳:総勘定元帳(「売上」や「通信費」など勘定科目ごとに収支をまとめたシート)
  • 台帳:固定資産台帳(10万円以上の備品(固定資産)をまとめたシート)

この中の決算書1~4が青色申告の確定申告時に提出しなければならない重要データです。(他のシートは保存しておくだけでOK。)

基本的にユーザーのやるべきことは、緑色のセルに必要事項を入力していくだけ。あとはエクセルが入力されたデータをもとに計算を行い、自動的に各決算書や台帳のセルを埋めてくれます。

ここからは、平成30年4月1日に開業した個人事業主を例にして、エクセル簿記を使って青色申告の各種作業を進めていく手順を具体的に紹介しましょう。

会計期間を入力する

エクセル簿記を初めて使う時は、「はじめに」タブをクリックして会計期間を入力してください。

今回の例では平成30年分の記帳を始めるので、緑色のセルに「30」と入力してEnterキーを押します。

そしてエクセルメニューバーの「ファイル」→「名前を付けて保存」を選択し、「平成30年度青色申告決算書」など分かりやすいファイル名を付けて保存してください。

パソコンの記憶容量に十分な空きがあるなら、会計期間に「31」と入力したエクセルファイルを「平成31年度青色申告決算書」と名前を付けて保存し、来年分の準備もしておくと良いでしょう。

ちなみに、ダウンロードした時点でのエクセル簿記のエクセルファイルは、旧バージョンのxlsファイルになっています。いちいち互換モードで開くのが気になる人には、xlsxファイルとして保存することをお勧めします。

以後、平成30年分の青色申告関連作業は、「平成30年度青色申告決算書」ファイルを開いて行うようにしてください。

決算書の個人情報欄を入力する

「決算書1」のタブをクリックし、所得税青色申告決算書の個人情報欄に必要事項を記入しておきましょう。

一台の電話でプライベートとビジネスを兼用している場合は、「自宅」と「事業所」の電話番号は同じで構いません。また、屋号や加入団体名、依頼税理士などは該当情報がなければ空欄のままでOKです。

なお、損益計算書の「青色申告特別控除額」の欄には、所得額に応じて65万円までの数値が自動的に計算されて入力されます。自分で「650000」と入力しなくても大丈夫です。

貸借対照表の期首欄を入力する

「決算書4」のタブをクリックし、貸借対照表の「1月1日(期首)」欄に必要事項を記入していきます。(該当しない項目は空欄でOK。)

本来であれば個人事業主として開業する際に、自分が所有している資金を「事業用」と「生活用」に分けて複数の口座で管理するのが望ましいのですが、面倒くさい方はまとめて事業用として扱っても構いません。(プライベートの出費まで記帳対象になるのが難点ですが……。)

今回の例のように年度途中の4月1日が開業日の場合は、その時点での財政状態を記入していけばOKです。(翌年からはきちんと1月1日時点でのデータを記入すること!)

貸借対照表には見慣れない専門用語が多く並んでいるので、各勘定科目について簡単に解説しておきます。

資産の部(事業用資産の内訳)

  • 現金:現在保有している現金の総額を記入(1円単位で正確に)
  • 当座預金:当座預金(小切手での払い戻しに対応した口座)残高を記入
  • 定期預金:定期預金(預入期間が決まっている預金)残高を記入
  • その他の預金:当座預金と定期預金以外の預金(普通口座の預金等)の残高を記入
  • 受取手形:現在保有している手形(支払いの期日、場所、金額等を記入した証書)の総額を記入
  • 売掛金:未回収の売上代金の総額を記入
  • 有価証券:現在保有している株式や債券等の取得価額(手数料含む)を記入
  • 棚卸資産:生産・販売等によって利益を上げることを目的とした消費資産(商品の在庫など)の総額を記入
  • 前払金:前もって取引先に支払った代金(商品の手付金など)の総額を記入
  • 貸付金:取引先等に貸し付けている資金(返済してもらえる権利)の総額を記入
  • 建物:店舗や工場など事業用の建築物の資産価値を記入(自宅は含まない)
  • 建物付属設備:空調やエレベーターなど事業用建物に付属している設備の資産価値を記入
  • 機械装置:ベルトコンベアやブルドーザーなど事業用機械の資産価値を記入
  • 車両運搬具:商品を運ぶトラックやバイクなど事業用運転車両の資産価値を記入
  • 工具 器具 備品:机や事務機器など小型の事業用品の資産価値を記入(すでに減価償却を済ませたもの、取得価額が10万円未満のものなどは計上しなくて良い)
  • 土地:事業目的で保有している土地の資産価値を記入

負債・資本の部(事業用負債・資本の内訳)

  • 支払手形:取引先等に提出した手形(自分が支払わなければならない債務)の総額を記入
  • 買掛金:仕入れ時など営業取引で発生した未返済の債務の総額を記入
  • 借入金:金融機関等から借り入れた資金(返済義務が1年以内のもの)の総額を記入(長期借入金については「貸倒引当金」の下のセルに自分で勘定科目を追加して記入)
  • 未払金:クレジットカードでの個人的な買い物など営業取引以外の取引で発生した債務の総額を記入
  • 前受金:前もって取引先から支払われた代金(商品の手付金など)の総額を記入
  • 預り金:従業員の給料から天引きする源泉所得税や住民税などの総額を記入
  • 貸倒引当金:貸し倒れリスクに備え、売掛金や貸付金等の債権の残高に対して5.5%(金融業の場合は3.3%)までの金額を経費計上したもの
  • 元入金:事業の元手となる資金(エクセル簿記では元入金を自分で計算・入力する必要は無い)

各項目を入力していくと、「12月31日(期末)」・「元入金」・「合計」欄も自動的に計算されて埋まっていくはずです。

仕訳帳に日々の収支を記帳する

「仕訳帳」のタブをクリックして、仕訳帳のシートを表示してください。

さて、ここからが青色申告決算書作成において最も重要な作業です。

青色申告者には記帳義務があるため、事業で得た「売上」や事業目的で支払った「経費」などを全て勘定科目(収支の内容を分類する名称)ごとに「仕訳」して、毎日記録していかなければなりません。

しかも65万円控除を適用するためには、「現金主義(現金や預貯金が増減した時のみ収支を計上する会計処理)」ではなく、「発生主義(取引の事実が認められた時点で収支を計上する会計処理)」による記帳が条件。事あるごとに記帳しなければならない煩わしさがあります。

しかし、エクセル簿記では各勘定科目が1桁~3桁の科目コードで対応付けられており、仕訳帳の緑色のセルに番号や金額を入力するだけで簡単に記帳作業を進めることが可能です。

以下に、エクセル簿記に登録されている勘定科目の例をまとめてみました。

コード 勘定科目 意味
1 売上 事業で発生した利益。ただし、主たる営業活動以外で発生した収益は「雑収入」に分類される。
2 期首商品(製品)棚卸高 前年度末に残っていて当期に繰り越した在庫の金額。
3 仕入金額(製品製造原価) 商品や原材料の仕入高。
5 期末商品(製品)棚卸高 今年度末に残っていて来期に繰り越す在庫の金額。
8 租税公課 個人事業税・自動車税・印紙税など経費計上可能な税額。(所得税や住民税などは経費計上不可。)
9 荷造運賃 商品の出荷等の作業に伴い発生した梱包費・運送代など。
10 水道光熱費 事業に用いた電気・ガス・水道代。
11 旅費交通費 出張などの目的で利用した電車代・タクシー代・宿泊費など。
12 通信費 事業に用いたインターネット代・電話代など。
13 広告宣伝費 知名度を上げるためにテレビ・新聞・ウェブサイトなどに出稿した広告代。
14 接待交際費 取引先や仕事関係者などとの打ち合わせ・接待時に支払った代金。
15 損害保険料 保有物件に係る火災保険料、自動車保険料など。
16 修繕費 固定資産等の修理に要した費用。
17 消耗品費 事務用品など事業に用いる消耗品(使用可能期間が1年未満または取得価額が10万円未満)の購入費。
18 減価償却費 固定資産の取得原価を事業年度ごとに配分し償却した金額。
19 福利厚生費 従業員に提供した食事代補助や見舞金など。
20 給料賃金 従業員に支払った給料・手当など。(青色事業専従者は除く。)
21 外注工賃 外部の業者に仕事を依頼した際に支払った業務委託費。
22 利子割引料 自動車ローンや住宅ローンなど借入金に付随する利子や手形の割引料など。
23 地代家賃 事務所や工場などの家賃・使用料など。
24 貸倒金 取引先の倒産などの理由により回収不能に陥った売掛金等の債権。
31 雑費 各種手数料など他の勘定科目に分類されない少額の経費。
34 貸倒引当金戻入 前年度で貸倒引当金を計上した場合に、その戻し入れを計上して相殺処理したもの。
38 専従者給与 青色事業専従者に支払った給料。
39 貸倒引当金繰入 貸し倒れリスクに備え、売掛金等の債権残高の一部を経費計上したもの。
124 事業主貸 事業主個人の生活費やプライベートの買い物など、事業のお金を事業主に貸した金額。
172 事業主借 事業主個人の資産を事業用に移動させた時など、事業のお金を事業主に借りた金額。
201 期首原材料棚卸高 製造業において、前年度期末に計上された原材料在庫の振替処理をしたもの。
202 原材料仕入高 製造業において、原材料の調達に要した仕入金額。
204 期末原材料棚卸高 製造業において、今年度末に残っていて来期に繰り越す原材料の在庫の金額。
206 労務費(製造原価) 製造業において、従業員に支払った給料・手当など労働力の消費によって発生した原価。
207 外注工賃(製造原価) 製造業において、製品製造に直接係る業務委託によって発生した原価。
208 電力費(製造原価) 製造業において、工場での電力消費によって発生した原価。
209 水道光熱費(製造原価) 製造業において、工場でのガス・水道等の使用によって発生した原価。
210 修繕費(製造原価) 製造業において、工場で機械装置等の修理によって発生した原価。
211 減価償却費(製造原価) 製造業において、工場で使用されている固定資産の減価償却。
220 雑費(製造原価) 製造業において、他の製造原価に分類されない各種コスト。
223 期首半製品・仕掛品棚卸高 製造業において、前年度期末に計上された半製品や仕掛品の在庫の振替処理をしたもの。
225 期末半製品・仕掛品棚卸高 製造業において、今年度末に残っていて来期に繰り越す半製品や仕掛品の在庫の金額。

記帳中に勘定科目の番号が分からなくなった時は、仕訳帳の「科目コード」のリンクをクリックすれば「勘定科目コード一覧」を参照することが出来ます。(左上の「【仕訳帳】へ」のリンクをクリックすれば仕訳帳に戻れる。)

また、決算書1や決算書4のシートで「科目」欄の緑色の空白セルをクリックすれば、必要に応じて新しい勘定科目を自分で追加することも可能です。

さすがに数が多すぎて全てのパターンを紹介することは出来ませんが、ここでは個人事業主が直面しやすい収支状況を例にして複式簿記の書き方を紹介していきます。(「事業用資金」と「生活用資金」を同一銀行口座で管理しているという前提。)

なお、今回の例のように4月1日が開業日の場合は仕訳帳への記帳も4月1日分から始めて構いませんが、翌年からはちゃんと1月1日~12月31日分まで全て記帳する必要があります。

複式簿記の記帳は横方向に入力していくことが多いので、Enterキーを押したときのエクセルのカーソルの動きを「右」に変更しておくことをおすすめします。

  1. エクセル簿記を開いた状態でAltキー+Tキーを同時押しする
  2. O(オー)キーを押す
  3. 「Excelのオプション」が表示されたら「詳細設定」を選択する
  4. 「Enterキーを押したら、セルを移動する」の「方向」を「右」に切り替えて「OK」をクリックする

  • 4月1日に商品を売って10万円の売上を現金で得た場合、
    「日付」に「4/1」、
    左側(借方)の科目コードに「101」、
    「金額」に「100000」、
    右側(貸方)の科目コードに「1」を入力

    年度を省略して日付だけを入力した場合、記帳データは入力時点での年度として認識される。現在と異なる年度の収支を記帳する場合は、「2015/4/1」のように年度を含めて入力すればOK。
    なお、2019年10月1日以降は売上・仕入・経費に関して軽減税率・標準税率等の区分記帳が必要になる。詳細は後述。

  • 4月1日に開業祝いとして知人から3万円のお祝儀をもらった場合、
    「日付」に「4/1」、
    左側(借方)の科目コードに「101」、
    「金額」に「30000」、
    右側(貸方)の科目コードに「1」を入力し
    摘要欄で「雑収入」を選択

    事業収入ではあっても本業経由ではない収入は「雑収入」として扱い、通常の売上とは分けて計上する。

  • 4月2日に銀行振り込みで5万円の売上を得た場合、
    「日付」に「4/2」、
    左側(借方)の科目コードに「104」、
    「金額」に「50000」、
    右側(貸方)の科目コードに「1」を入力

  • 4月3日に国内のFX会社に口座を開設して10万円の証拠金を預け入れた場合、
    「摘要」リンクをクリックして「雑収入」の下の空白セルに「FX」という項目を追加して仕訳帳に戻り、
    「日付」に「4/3」、
    左側(借方)の科目コードに「124」、
    「金額」に「100000」、
    右側(貸方)の科目コードに「104」を入力し
    摘要欄で「FX」を選択

    ここでは株式取引やFXは事業ではなく私的な副業として行う前提なので、取引口座への入金は「事業主貸」の勘定科目で計上する。

  • 4月4日にFXで1万円の利益を得て合計11万円になった証拠金を銀行口座に出金する場合、
    「日付」に「4/4」、
    左側(借方)の科目コードに「104」、
    「金額」に「110000」、
    右側(貸方)の科目コードに「172」を入力し
    摘要欄で「FX」を選択

    ※私的な金銭を事業用口座に移動させているので、取引口座からの出金は「事業主借」の勘定科目で計上する。
    また、国内FXの損益は「事業所得」ではなく「分離課税の雑所得」として申告しなければならないので、決済損益やスワップポイント等の取引の内訳を仕訳帳に書かず、確定申告書Bの第三表で一年分まとめて申告する!株式取引の利益も分離課税なので同様!
    (海外FXや仮想通貨のような「総合課税の雑所得」の場合も記帳せず、確定申告書Bの第一表・第二表の「雑所得」欄に利益額等を記入。雑所得なので損失の繰越は出来ず、赤字分は「0円」として扱わなければならない。)

FXの重要用語解説 「総合課税と分離課税」

  • 4月5日に商品が売れてその代金3万円をツケにした場合、
    「日付」に「4/5」、
    左側(借方)の科目コードに「106」、
    「金額」に「30000」、
    右側(貸方)の科目コードに「1」を入力

  • 4月12日に4月5日のツケを現金で回収した場合、
    「日付」に「4/12」、
    左側(借方)の科目コードに「101」、
    「金額」に「30000」、
    右側(貸方)の科目コードに「106」を入力

  • 4月13日に現金10万円を定期預金に回した場合、
    「日付」に「4/13」、
    左側(借方)の科目コードに「103」、
    「金額」に「100000」、
    右側(貸方)の科目コードに「101」を入力

  • 4月15日に銀行の普通口座預金に5円の利息が付いた場合、
    「摘要」リンクをクリックして空白セルに「利息」という項目を追加して仕訳帳に戻り、
    「日付」に「4/15」、
    左側(借方)の科目コードに「104」、
    「金額」に「5」、
    右側(貸方)の科目コードに「172」を入力し
    摘要欄で「利息」を選択

  • 4月17日に現金で買った5,000円の事務用品(事業用)の購入費を必要経費として計上する場合、
    「日付」に「4/17」、
    左側(借方)の科目コードに「17」、
    「金額」に「5000」、
    右側(貸方)の科目コードに「101」を入力

  • 4月20日にレストランで食事して代金5,000円を現金で支払った場合、
    「日付」に「4/20」、
    左側(借方)の科目コードに「124」、
    「金額」に「5000」、
    右側(貸方)の科目コードに「101」を入力

    生活費としての食費は経費にできないので「事業主貸」で計上する。
    ただし、取引先との打ち合わせ等の場合は「14(接待交際費)」として経費計上することも可能。

  • 4月22日に店頭で売れ残った500円のケーキを家族で一緒に食べた場合、
    「日付」に「4/22」、
    左側(借方)の科目コードに「124」、
    「金額」に「500」、
    右側(貸方)の科目コードに「1」を入力し
    摘要欄で「家事消費等」を選択

    個人事業主が販売用の商品を私的に消費する場合、経費ではなく「家事消費」という売上の一パターンとして計上しなければならない。

  • 4月25日に自動引き落としで支払った電気代5,000円の50%を必要経費として計上する場合、
    「摘要」リンクをクリックして空白セルに「50:50で按分」という項目を追加して仕訳帳に戻り、
    一列目の「日付」に「4/25」、
    左側(借方)の科目コードに「10」、
    「金額」に「2500」(50%を経費計上)、
    右側(貸方)の科目コードに「104」を入力し
    摘要欄で「50:50で按分」を選択、
    二列目の「日付」に「4/25」、
    左側(借方)の科目コードに「124」、
    「金額」に「2500」(50%は私的利用)、
    右側(貸方)の科目コードに「104」を入力し
    摘要欄で「50:50で按分」を選択

    インターネット代(通信費)や家賃(地代家賃)のように、事業目的だけでなくプライベートでの利用も兼ねている支出の場合、全額経費計上することはNG!
    事業に使用した割合を按分してから経費計上しなければならない。(比率に迷った時は50:50で按分して、支出の半額を経費計上すると良い。)
    また、同じ家に住んでいる夫婦が一つの居住用賃貸物件で別々の個人事業を営んでいる場合、地代家賃や水道光熱費はどちらか一人だけが記帳すること!夫が家賃の50%、妻が家賃の50%を重複計上して家賃を全額経費にするやり方は悪質な脱税行為であり、追徴課税の対象になる恐れがある。

  • 5月15日にクレジットカードで決済した電車代4,000円を必要経費として計上する場合、
    「日付」に「5/15」、
    左側(借方)の科目コードに「11」、
    「金額」に「4000」、
    右側(貸方)の科目コードに「154」を入力

  • 5月25日に5月15日のクレジットカード利用代金4,000円が銀行口座から引き落とされた場合、
    「日付」に「5/25」、
    左側(借方)の科目コードに「154」、
    「金額」に「4000」、
    右側(貸方)の科目コードに「104」を入力

  • 5月27日に自宅兼事務所のマンションを引っ越す手続きを行い、家賃1か月分(5万円)と家賃2か月分の敷金(10万円)を現金で前納した場合、
    「決算書4」タブをクリックして「資産の部」の空白セルに「敷金」という項目を追加して仕訳帳に戻り、
    一列目の「日付」に「5/27」、
    左側(借方)の科目コードに「117」(自分で勘定科目を追加したことで新しく割り振られた科目コード)、
    「金額」に「100000」、
    右側(貸方)の科目コードに「101」を入力、
    二列目の「日付」に「5/27」、
    左側(借方)の科目コードに「23」、
    「金額」に「25000」(50%を経費計上)、
    右側(貸方)の科目コードに「101」を入力し
    摘要欄で「50:50で按分」を選択、
    三列目の「日付」に「5/27」、
    左側(借方)の科目コードに「124」、
    「金額」に「25000」(50%は私的利用)、
    右側(貸方)の科目コードに「101」を入力し
    摘要欄で「50:50で按分」を選択

  • 6月1日に自宅兼事務所のマンションの火災保険に加入して年間保険料6,000円を銀行振り込みで支払った場合、
    一列目の「日付」に「6/1」、
    左側(借方)の科目コードに「15」、
    「金額」に「1750」(6,000円の7か月分の50%を経費計上)、
    右側(貸方)の科目コードに「104」を入力し
    摘要欄で「50:50で按分」を選択、
    二列目の「日付」に「6/1」、
    左側(借方)の科目コードに「124」、
    「金額」に「1750」(6,000円の7か月分の50%を私的利用)、
    右側(貸方)の科目コードに「104」を入力し
    摘要欄で「50:50で按分」を選択、
    三列目の「日付」に「6/1」、
    左側(借方)の科目コードに「109」、
    「金額」に「2500」(6,000円の5か月分は翌年度に繰り越し)、
    右側(貸方)の科目コードに「104」を入力、

    翌年度の仕訳帳の「1月1日」欄に、
    1列目:15(損害保険料)/1250/109(前払金)/50:50で按分、
    2列目:124(事業主貸)/1250/109(前払金)/50:50で按分、
    を記帳して前払金を処理。その際、貸借対照表の期首欄の「前払金」に「2500」を記入しておくことをお忘れなく。


  • 6月20日に国民健康保険料3万円を自動引き落としで支払った場合、
    「摘要」リンクをクリックして空白セルに「国民健康保険料」という項目を追加して仕訳帳に戻り、
    「日付」に「6/20」、
    左側(借方)の科目コードに「124」、
    「金額」に「30000」、
    右側(貸方)の科目コードに「104」を入力し
    摘要欄で「国民健康保険料」を選択

    国民健康保険や国民年金の保険料は事業の経費ではなく確定申告書Bの「社会保険料控除」欄に記入するので、仕訳帳では「8(租税公課)」ではなく「事業主貸」として計上する。

  • 7月1日に15万円のパソコン(事業用)を現金で買った場合、
    「摘要」リンクをクリックして空白セルに「パソコン」という項目を追加して仕訳帳に戻り、
    「日付」に「7/1」、
    左側(借方)の科目コードに「115」、
    「金額」に「150000」、
    右側(貸方)の科目コードに「101」を入力し
    摘要欄で「パソコン」を選択

  • 7月1日に購入したパソコンの減価償却費の計算を「少額減価償却資産の特例」によって年末に一括して経費計上する場合、
    「摘要」リンクをクリックして空白セルに「少額減価償却資産の特例」という項目を追加して仕訳帳に戻り、
    「日付」に「12/31」、
    左側(借方)の科目コードに「18」、
    「金額」に「150000」、
    右側(貸方)の科目コードに「115」を入力し
    摘要欄で「少額減価償却資産の特例」を選択

    あわせて、「決算書3」の「減価償却費の計算」にて以下の画像のように入力すること!
    (摘要欄の「措法28の2」とは、少額減価償却資産の特例を適用した際に記載する決まり文句のようなもの。)
    減価償却費の計算で少額減価償却資産の特例を適用できるのは、「一つあたりの購入価格が30万円未満」で「一年間の取得価額の合計が300万円まで」に限る。


仕訳帳に収支データを記帳すると、決算書や固定資産台帳等のシートのセルに必要事項が自動入力されていきます。初めてエクセル簿記を使う時は、自分で各シートを見比べながらいろいろ試してみると良いでしょう。

このように、複式簿記には「取引内容」と「金額」を一行にまとめて記録する特徴があります。

最初は分かりづらくて苦労するかもしれませんが、以下の3点をイメージすれば記帳のコツをつかめるはずです。

  • 基本的に、左側(借方)の欄は「自分が得るもの(プラス)」、右側(貸方)の欄は「自分が与えるもの(マイナス)」を表している
  • 収入が発生した場合、「現金」や「その他の預金」等の勘定科目が左側(借方)に来る(右側(貸方)にはその理由)
  • 支出が発生した場合、「現金」や「その他の預金」等の勘定科目が右側(貸方)に来る(左側(借方)にはその理由)

自分の収入・支出がどの勘定科目にあてはまるか分からないときは、インターネットで検索したり、税理士の質問サイトを利用したりすると良いでしょう。

>>税理士ドットコム

日本の税法は意外とおおらかに作られており、「事業に関係ある」と根拠を伴って主張できる支出なら経費計上が認められます。

経費が多いほど課税所得が減って節税につながるので、数ある勘定科目を賢く有効活用して参考書の購入費やスマートフォン代などもどんどん経費計上しましょう!

軽減税率実施に伴う区分経理について

2019年10月1日より、消費税率が8%から10%に引き上げられました。それに伴い、一部の商品にかかる消費税率が8%のまま据え置きになる「軽減税率」という制度も併せて実施されます。

軽減税率の対象品目

  • 酒類・外食を除く飲食料品
  • 週2回以上発行される定期購読の新聞

標準税率が適用されるケースと軽減税率が適用されるケースを具体例として比較すると、以下の表のようになります。

生活必需品に該当するはずの生理用品やトイレットペーパー、電気代・ガス代・水道代なども何故か軽減税率の適用対象外になっており、意味不明な制度に不満の声が上がっているのが印象的です。

8%(軽減税率対象品目) 10%(軽減税率非対象品目)
  • 宅配ピザなどのデリバリーサービス・通信販売で購入した飲食料品
  • 飲食店のテイクアウト商品
  • 野球場や映画館などで販売されている飲食料品(酒類は除く)
  • 医薬品や医薬部外品に該当しない栄養ドリンク・健康食品・サプリメント
  • オマケ付きお菓子(ただし税抜1万円未満で飲食料品価格の占める割合が2/3以上の場合に限る)

など

  • ケータリングや出張料理
  • コンビニ等でのイートイン
  • 医薬品や医薬部外品に該当する栄養ドリンク・アルコール・みりん
  • 家電・衣類・日用品全般
  • 店頭で購入する新聞・雑誌・書籍
  • 女性用生理用品や化粧品・おむつなどの育児用品
  • 光熱費・水道代・インターネットなどの通信料金
  • 送料・振込手数料・郵便料金

など

この軽減税率の開始によって、私たちが現在行っている経理方式にも変更が必要になります。主な変更点は、以下の2点です。

  1. 仕訳帳にて「区分記帳」を行う(軽減税率が適用される「売上」または「仕入・経費」がある場合、記帳時にその旨を記載する)
  2. 取引先に提出する請求書等に「適用税率」や「税率ごとに区分して計算した合計金額」を記載する

一般課税方式を選択している課税事業者の場合、e-Taxでの確定申告時に消費税の申告・納付を行うためには、売上・仕入れ・経費等の金額を税率ごとに分けて入力しなければなりません

同一税率ならまとめて記帳しても後で簡単に計算できますが、2019年10月1日以降は8%と10%の複数税率が混在するため、税率ごとに区分して記帳しないと正確に計算できなくなってしまいます。

軽減税率制度は将来的に終了して消費税率が10%に統一されることは決まっています。しかし、軽減税率制度が具体的にいつまで続けられるのかは未定です。当分の間、私達事業者は区分経理を続けなければならないでしょう。

ここからは、エクセル簿記で区分記帳を行う手順と請求書等の新しい保存方式について解説していきます。これは免税事業者にとっても大問題になるかもしれない変更なので、他人事と思わずしっかり読み進めてください。

なお、自分が課税事業者か免税事業者か分からない方は、以下の表を参照しましょう。

課税事業者 免税事業者
該当条件 以下のいずれかの条件に当てはまる事業者

  • 基準期間(個人事業者の場合は前々年、法人の場合は前々事業年度)における課税売上高が1,000万円を超えた
  • 特定期間(個人事業者の場合は前年の1月1日から6月30日までの期間、法人の場合は原則として前事業年度開始の日以後6か月の期間)における課税売上高または給与等支払額の合計額が1,000万円を超えた
  • 自分の意思で「消費税の課税事業者選択届出書」を税務署に提出した
左記の条件に当てはまらない事業者
消費税の申告・納付 確定申告時に所得税だけでなく消費税の申告・納付も必要
※消費税の納付期限は、個人事業者の場合は翌年の3月末日まで、法人の場合は課税期間の末日の翌日から2か月以内
確定申告時に消費税の申告・納付は不要
(所得税の申告・納付は必要)

区分記帳のやり方

エクセル簿記で複数税率の区分記帳を行う方法は簡単です。軽減税率が適用される「売上」または「仕入・経費」の「摘要」欄に「8%(軽減税率)」などの分かりやすいコメントを付けて記帳していくだけです。

小売業を営んでいる個人事業主を例にして、複数税率の区分記帳の仕訳の見本を紹介しましょう。なお、課税事業者は記帳時に税込経理と税抜経理のどちらを選んでも構いませんが、ここでは税込経理で話を進めていきます。(免税事業者は税込経理で記帳すること!)

  • 9月1日(消費税増税前)に商品を取引業者から仕入れて1万円を現金で支払った場合、
    「日付」に「9/1」、
    左側(借方)の科目コードに「3」、
    「金額」に「10000」、
    右側(貸方)の科目コードに「101」を入力し
    摘要欄で「8%(旧税率)」というコメントを自分で追加して選択

  • 9月2日(消費税増税前)にその商品を売って5万4000円の売上を現金で得た場合、
    「日付」に「9/2」、
    左側(借方)の科目コードに「101」、
    「金額」に「54000」、
    右側(貸方)の科目コードに「1」を入力し
    摘要欄で「8%(旧税率)」を選択

  • 9月3日(消費税増税前)に商品を取引業者から仕入れて2万円をクレジットカード決済で支払って掛仕入を行った場合、
    「日付」に「9/3」、
    左側(借方)の科目コードに「3」、
    「金額」に「20000」、
    右側(貸方)の科目コードに「152」を入力し
    摘要欄で「8%(旧税率)」を選択

  • 9月15日(消費税増税前)に掛仕入のクレジットカード利用代金2万円が銀行口座から引き落とされた場合、
    「日付」に「9/15」、
    左側(借方)の科目コードに「152」、
    「金額」に「20000」、
    右側(貸方)の科目コードに「104」を入力

  • 10月1日(消費税増税後)に軽減税率対象商品を取引業者から仕入れて5,000円を現金で支払った場合、
    「日付」に「10/1」、
    左側(借方)の科目コードに「3」、
    「金額」に「5000」、
    右側(貸方)の科目コードに「101」を入力し
    摘要欄で「8%(軽減税率)」というコメントを自分で追加して選択

    同じ8%の税率でも、旧税率と軽減税率は税法上扱いが異なる。

    • 旧税率:消費税率6.3%・地方消費税率1.7%
    • 軽減税率:消費税率6.24%・地方消費税率1.76%

    2019年度は、旧税率・軽減税率・標準税率の3種類が混在することになる。また、旧税率の経過措置にも注意が必要。

  • 10月3日(消費税増税後)にその軽減税率対象商品を売って銀行振り込みで1万1000円の売上を得た場合、
    「日付」に「10/3」、
    左側(借方)の科目コードに「104」、
    「金額」に「11000」、
    右側(貸方)の科目コードに「1」を入力し
    摘要欄で「8%(軽減税率)」を選択

  • 10月4日(消費税増税後)に軽減税率対象外商品を取引業者から仕入れて3万円を現金で支払った場合、
    「日付」に「10/4」、
    左側(借方)の科目コードに「3」、
    「金額」に「30000」、
    右側(貸方)の科目コードに「101」を入力し
    摘要欄で「10%(標準税率)」というコメントを自分で追加して選択

    標準税率の売上・仕入・経費が大半を占める場合は、記帳時に毎回「10%(標準税率)」と記載するのも面倒なので摘要欄を空欄で統一してもOK。(自分が識別できれば良い。)

  • 10月5日(消費税増税後)にその軽減税率対象外商品を売って7万7000円の売上を現金で得た場合、
    「日付」に「10/5」、
    左側(借方)の科目コードに「101」、
    「金額」に「77000」、
    右側(貸方)の科目コードに「1」を入力し
    摘要欄で「10%(標準税率)」を選択(あるいは空欄)

    なお、雑収入や家事消費等がある場合、エクセル簿記の摘要欄に標準搭載されている「雑収入」や「家事消費等」の項目をそのまま使うと消費税率等をメモ書きできない。
    雑収入や家事消費等を記帳する時には、「雑収入(旧税率8%)」などの項目を自分で摘要欄に追加して使えば、金額を決算書に正常に反映させつつ消費税率等も記録できる。

  • 10月10日(消費税増税後)に商品券を売って500円の売上を現金で得た場合、
    「日付」に「10/10」、
    左側(借方)の科目コードに「101」、
    「金額」に「500」、
    右側(貸方)の科目コードに「1」を入力し
    摘要欄で「非課税取引」というコメントを自分で追加して選択

    取引には主に、消費税が発生する「課税取引」と、消費税がかからない「非課税取引」・「不課税取引」・「免税取引」の4種類がある。納付する消費税額の計算に大きく関わってくるので、「非課税取引」・「不課税取引」・「免税取引」などを正確に区分して摘要欄に記載しなければならない。

    • 課税取引:事業者が事業として対価を得て行う商品・サービスの販売や貸付など。
    • 非課税取引:消費税の特性や社会政策的配慮などの理由により課税を除外されている取引。土地の譲渡・マンションの賃料収入・商品券や有価証券の販売など。
    • 不課税取引:消費税が課税される要件を満たさない取引。日本国外での取引・株や投資信託等の配当金・損害の補償として支払われた賠償金など。
    • 免税取引:海外での消費を想定しているため、消費税が免除されている取引。輸出取引・国際輸送・空港や観光地の免税店での販売など。
    • 非課税資産の輸出等:車椅子や補聴器といった身体障害者用商品を国外に輸出して得た利益、海外の国債・社債の利子など。

もしも期中に売れ残った商品があれば、年末に仕入の合計を「期末商品(製品)棚卸高」の勘定科目に計上しましょう。そして翌年度に「期首商品(製品)棚卸高」に計上します。

課税事業者の場合は、2月中旬~3月中旬の確定申告時にこの帳簿データを使ってe-Taxにて消費税の申告・納付手続きを行うことになります。

その際、「軽減税率適用分の売上金額」や「標準税率適用分の仕入金額」など様々な数値を入力しなければなりません。以下の手順でエクセル簿記から必要なデータを算出して「課税取引金額計算表」を作成しておくと、確定申告を非常にスムーズに進められます。

ここでは例として、総勘定元帳から「8%(旧税率)の仕入額の合計」を調べて課税取引金額計算表を作成する方法をご紹介します。

  1. エクセル簿記に新しいシートを追加して「課税取引金額計算表」と名前を付け、以下の画像のような表を自分で作成する(画像をクリックすれば拡大可能、黒く塗りつぶされている所は入力不要のセル)

  2. 「元帳」シートを選択し、左端のフィルターで「003 仕入金額(製品製造原価)」を選択して「OK」をクリック

  3. 「摘要」列の任意の「8%(旧税率)」セルを右クリックして、「フィルター」→「選択したセルの値でフィルター」をクリック

  4. 「相手勘定科目」のフィルターをクリックして、「仕入金額(製品製造原価)」を選択して「OK」をクリック

  5. 縦に並んでいる全ての数値を範囲選択してコピー(Ctrlキー+Cキー)

  6. 元に戻す(Ctrlキー+Zキー)を2回押してフィルターを解除

  7. 課税取引金額計算表シートの表の外の空白セルをアクティブにして、右クリック→値のみ貼り付けを実行

  8. 貼り付けた一番下のセルの下の空白セルをアクティブにして、「オートSUM」をクリック

  9. Enterキーを押すと8%(旧税率)の仕入額の合計が算出されるので、コピーして課税取引金額計算表の然るべきセル(この場合はJ4)に値のみ貼り付ける

  10. 12月31日までの記帳が終わったら、同様の手順で総勘定元帳から各データを抽出し、売上・仕入・経費のD~G列(取引の種類ごとの金額)およびJ~L列(消費税率ごとの金額)を計算・入力していく

    C列には決算書1シートのデータをそのまま入力する。経費の空欄セルには自分独自の勘定科目を追加してもOK。


    売上:輸出取引や免税ショップで外国人旅行者に免税対象品を所定の金額販売した際の売上等は「免税」、商品券や社会保険サービス関連の売上等は「非課税」、身体障害者用の商品や教科用図書等の輸出で得た売上は「非課税資産の輸出等」、知人から貰った祝金やヤフオク・メルカリ等で事業目的ではなく個人的に資産を出品して得た売上等は「不課税」に計上


    仕入れ:商品券やプリペイドカード等の仕入高は「非課税」、試供品や見本品等の仕入高は「不課税」に計上


    租税公課:郵便局で購入した収入印紙代は「非課税」、個人事業税などの税金の納付額は「不課税」に計上
    荷造運賃:海外発送代は「不課税」に計上
    水道光熱費:すべて課税取引に該当
    旅費交通費:海外での宿泊代・交通費等は「不課税」に計上
    通信費:国際電話代等は「不課税」に計上
    広告宣伝費:宣伝目的のプリペイドカード等の購入費は「非課税」、屋外広告物の土地の賃借料は「不課税」に計上
    接待交際費:接待目的のゴルフ場のプレー代やお得意様への祝金・見舞金等は「不課税」に計上
    損害保険料:全額「非課税」に計上
    修繕費:すべて課税取引に該当
    消耗品費:すべて課税取引に該当
    減価償却費:全額「不課税」に計上
    福利厚生費:介護保険・社会福祉事業サービス代は「非課税」、従業員への祝金・補助金等は「不課税」に計上
    給料賃金:全額「不課税」に計上(ただし通勤手当や現物給与は課税対象)
    外注工賃:すべて課税取引に該当(ただし外注先が国外の場合は「不課税」)
    利子割引料:全額「非課税」に計上
    地代家賃:居住用として借りた物件の賃料・管理料等は「非課税」に計上(事業用として借りた場合は課税対象)
    貸倒金:取引内容に準ずる
    雑費:登記・特許等に係る手数料は「非課税」、事業イベント時に依頼した僧侶へのお布施(寄附金)等は「不課税」に計上

  11. 合計欄も埋めて課税取引金額計算表を完成させ、e-Taxでの消費税の確定申告書作成時に参照する

    見出しセルのカッコの中に記入してある計算式で合計セルを計算していく。この時、I=J+K+Lにならなかったら計算が間違っているので、総勘定元帳をもう一度見直してみる。

複数税率の確定申告に対応したe-Taxの新システムは、2020年(令和2年)1月6日に公開されました。以下の記事を参照して、e-Taxでの所得税・消費税の確定申告のやり方をチェックしておくと良いでしょう。

【2020年最新版】e-Taxの使い方を利用開始手続きから納税方法まで徹底解説!初心者でもネットで確定申告できる!

ちなみに、「簡易課税制度」を利用すれば、もう少し消費税額の計算が楽になります。「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した事業者は、わざわざ実額を細かく調べなくても事業種ごとに決められている「みなし仕入れ率」によって仕入税額控除を算出できます。(ただし前々年または前々事業年度の課税売上高が5,000万円以下の事業者に限る。)

簡易課税制度で納付する消費税額=課税売上げに係る消費税額-仕入控除税額

※仕入控除税額=課税売上げに係る消費税額×以下のみなし仕入れ率

  • 第一種事業(卸売業):90%
  • 第二種事業(小売業) :80%
  • 第三種事業(製造業等) :70%
  • 第四種事業(その他の事業) :60%
  • 第五種事業(サービス業等) :50%
  • 第六種事業(不動産業) :40%

経理が楽になる上に、一般課税方式の実額計算値より税負担が軽減される可能性がある!

e-Taxで消費税の確定申告をする際、簡易課税方式なら入力すべき項目が非常に少なくて済む。課税取引金額計算表を完成させる必要もない。

消費税額の計算で簡易課税制度を適用したい方は、以下のリンクからPDFファイルをダウンロードし、必要事項を入力して管轄の税務署に提出してください。

>>消費税簡易課税制度選択届出書のダウンロードはコチラから

消費税簡易課税制度選択届出書を管轄の税務署に提出すると、提出した日の属する課税期間の翌課税期間から簡易課税方式での消費税納付が可能になります。(新規開業事業者の場合、開業した課税期間の末日までに届出書を提出すれば、開業した日の属する課税期間から簡易課税制度の適用を受けることが可能。)

消費税簡易課税制度選択届出書の書き方を簡単に解説しましょう。

消費税簡易課税制度選択届出書の書き方

  1. 提出日・管轄税務署・納税地(個人事業主の場合は住所地)・電話番号・氏名等を記入
  2. 「下記のとおり、消費税法第37条第1項に規定する簡易課税制度の適用を受けたいので、届出します。」にチェックする
  3. 簡易課税方式を開始したい課税期間・その基準期間(2年前)・基準期間の課税売上高を記入
  4. 事業内容と事業区分を記入
事業区分 概要
第1種 卸売業
第2種 小売業
第3種 農業、林業、漁業、鉱業、
建設業、製造業、電気ガス水道業など
第4種 飲食店業など
第5種 運輸通信業、金融・保険業、サービス業
第6種 不動産業

以下の3つの条件に当てはまらない場合は、「いいえ」にチェックを入れて完了。(当てはまる場合は「はい」をチェックして必要事項を記入。)後は、書類を管轄の税務署に提出すればOK。

  • 免税事業者が売上に関係なく自分の意思で消費税課税事業者選択届出書を提出して課税事業者になった場合、課税事業者になった年月日と調整対象固定資産(税抜価額が100万円以上の固定資産)の取得の有無を記入する
  • 基準期間が無い新規法人の場合、設立年月日と課税期間中の調整対象固定資産の取得の有無を記入する
  • 高額特定資産(税抜価額が1,000万円以上の棚卸資産や調整対象固定資産)の仕入れ等を行っている場合、仕入等を行った課税期間の年月日および仕入等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年が経過しているか記入する

※3つの条件のいずれかに該当する場合、審査時に簡易課税方式への切り替えを拒否される可能性がある点に注意が必要。

なお、免税事業者は消費税の申告・納付を行う必要はありません。しかし、免税事業者でも青色申告決算書の作成時に「売上(収入)金額と仕入金額の軽減税率対象分」を申告することになるため、区分記帳は必須です。

最新版のバージョン3.6のエクセル簿記では、決算書2のシートの売上(収入)金額・仕入金額欄に「うち軽減税率対象」という項目が追加されています。ここに、課税取引金額計算表シートのK2セルとK4セルの値を入力してください。

免税事業者は課税取引金額計算表を最後まで完成させなくても確定申告を行えます。しかし、将来的に自分が課税事業者になった時のために、消費税の確定申告のやり方もしっかり覚えておいた方が良いでしょう。

「キャッシュレス・消費者還元事業」の仕訳

軽減税率導入に伴い、経済産業省が推進している「キャッシュレス・消費者還元事業」も2019年10月1日からスタートしました。

「キャッシュレス・消費者還元事業」とは?

  • キャッシュレス決済の普及および消費税率引き上げに伴う消費の冷え込みを避けるために、政府が民間事業者のキャッシュレス端末代やポイント還元原資などを補助する政策
  • 「キャッシュレス・消費者還元事業」に加盟している対象店舗でキャッシュレス決済を行うと、購入代金の一部が消費者に還元される
  • 還元方法には、ポイント付与・即時充当(代金をその場で値引き)・引き落とし金額との相殺・口座充当の4種類がある(利用した店舗やキャッシュレス決済によって異なる)
  • コンビニなどのフランチャイズチェーンやガソリンスタンドでの還元率は2%、一般の中小店舗での還元率は5%
  • 基本的に還元金額は税込みの合計価格を基準に計算されるが、税抜き価格で計算される場合もある
  • 対応しているキャッシュレス決済手段は、クレジットカード・デビットカード・電子マネー・QRコード決済など
  • 実施期間は2019年10月1日~2020年6月30日までの9か月間を予定

一見とても魅力的な金融政策に思えますが、経理を担当する現場では混乱が巻き起こっているのが実情です。

もともとクレジットカードやスマホ決済サービス等の付与ポイントに関しては、税法上の扱いがグレーゾーンになっています。しかも「キャッシュレス・消費者還元事業で取得した還元ポイントを所得として計上すべきなのか」国税庁は公式なガイドラインを発表しておらず、記帳・仕訳の仕方に迷う方が少なくありません。

気になって税務署に電話確認してみた結果、以下のような回答を得られました。顧客あるいは事業者の立場でキャッシュレス決済を利用する機会のある方は、ぜひ参考にしてください。(ポイントの扱いに関しては税務上の明確な規定がないので、「あくまで一つの考え方として紹介してほしい」と担当者から念を押されました。)

追記:2019年11月22日に国税庁からようやく「即時充当によるキャッシュレス・消費者還元に係る消費税の仕入税額控除の考え方」に関する公式見解が発表されました。
ブログ記事内容に一部修正・補足説明を付け加えたのでご注意ください。

まず、客としてキャッシュレス・消費者還元事業に参加する場合、還元ポイントに関しては個人事業主の立場と一般の消費者の立場とでは解釈が若干異なります。

  • 個人事業主の場合、充当ポイントは「雑収入」として計上する(ただし還元方法によって税法上の扱いが異なる
  • 一消費者の場合、充当ポイントは「一時所得」として計上する

例えば個人事業主が500円(消費税率10%)の消耗品を事業用クレジットカードで購入した際に2%分が即時充当された場合、貸方を「雑収入」にして充当金額10円を計上します。

また、個人事業主が500円(消費税率10%)の消耗品を事業用クレジットカードで購入した際に、貯まっていた還元ポイントを10ポイント使用した場合、本来は同じように記帳するのが好ましいのですが、面倒くさかったら値引き後の金額のみを記帳しても構いません。(簡略化する場合はやり方を統一すること!)

両者は支払った金額こそ同じですが、確定申告時に消費税の仕入税額控除として計上できる金額が異なります。キャッシュレス・消費者還元サービスの即時充当は値引きにあたらないと国税庁が判断しているため、即時充当のケースでは商品合計額(充当前の金額)が「課税仕入れに係る支払対価の額」になります。

ポイント

  • 商品購入時に即時充当が行われた場合:キャッシュレス還元金額を「雑収入」として計上する(消費税の確定申告を行う際、この例では500円が仕入税額控除の計算対象となる)
  • 商品購入時に還元ポイントを使用して値引きが行われた場合:値引き後の金額を直接記帳しても良い(消費税の確定申告を行う際、この例では490円が仕入税額控除の計算対象となる)

出典:国税庁

つまり、還元ポイントを利用するより即時充当の方が多くの金額を仕入税額控除として計上できるため、課税事業者にとって税法上有利です。(ここでの雑収入は「不課税」に該当。)課税事業者の方は、コンビニやAmazonマーケットプレイスなど即時充当タイプの加盟店を積極的に利用した方が良いでしょう。

出典:PayPay

一方、一般の消費者の場合は、キャッシュレス決済で得た年間の合計ポイント数が重要です。一年間の合計額が50万円以下なら、一時所得は非課税となります。

と言っても、キャッシュレス・消費者還元事業の一月あたりの還元ポイント上限はせいぜい1~2万円程度です。常識的に考えて、一般の消費者がキャッシュレス決済による還元ポイントを確定申告する必要はないと言えるでしょう。

なお、懸賞で100万円の賞金が当選したなどの理由で年間の一時所得が50万円を超えてしまった場合は、ご使用のキャッシュレス決済サービスの履歴をチェックしながら一年間に取得した還元ポイントについても併せて確定申告する必要があります。

反対に、加盟店側としてキャッシュレス・消費者還元事業に参加する場合、中小・小規模事業者は以下のような仕訳・記帳を行います。

例えば11,000円(消費税率10%)の商品を顧客がクレジットカード払いおよび50ポイントのポイント払いを併用して購入した場合、税込みの総額で売上を計上し、ポイント入金・クレジット会社からの販売代金入金・システム利用手数料の支払いなどを後日まとめます。(ポイント分の売上に関しては、「売上値引」・「販売促進費」などの勘定科目を自分で追加しても良い。)

なお、キャッシュレス決済システムの手数料は、課税取引になる場合と非課税取引になる場合があります。よく分からない時は、契約書をチェックしたり担当者に問い合わせたりして確認してください。

「区分記載請求書等保存方式」と「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」について

これはエクセル簿記の使い方とは関係ありませんが、軽減税率導入に伴い、取引先に提出する請求書等の書類の様式が変わることも知っておかなければならないでしょう。

確定申告で消費税を申告する際に仕入税額控除を計上するためには、仕入の日付や金額などを帳簿に記帳するだけでなく、取引先から受領した請求書等の書類も保存しておく必要があることは言うまでもありません。

2019年9月30日までは取引の事実さえ確認できれば大雑把に作成された書類でもOKでしたが、2019年10月1日からは「適用税率」や「税率ごとに区分された税込み合計金額」などを正確に記載した書類を提出または保存する必要があります。(区分記載請求書等保存方式)

そして2023年10月1日からは、さらに制度が厳格化した「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」がスタートする予定です。書面に「適格請求書発行事業者」の登録番号が記載されている書類でなければ、仕入税額控除の証明書として認められなくなります。

出典:国税庁

一連の移行スケジュールや注意点などを表にまとめてみましょう。

仕入税額控除証明書類の保存方式 期間 請求書等に記載すべき事項
請求書等保存方式 2019年(令和元年)9月30日まで
  • 請求書発行者の氏名または名称
  • 取引年月日
  • 取引の内容
  • 対価の金額
  • 請求書受領者の氏名または名称
区分記載請求書等保存方式 2019年(令和元年)10月1日~2023年(令和5年)9月30日まで
  • 請求書発行者の氏名または名称
  • 取引年月日
  • 取引の内容
  • 対価の金額
  • 請求書受領者の氏名または名称
  • 軽減税率対象品目である旨(「※」印等を付けて説明する方法でも可)
  • 税率ごとに区分して合計した対価の額(税込)
適格請求書等保存方式(インボイス制度) 2023年(令和5年)10月1日~
  • 請求書発行者の氏名または名称
  • 取引年月日
  • 取引の内容
  • 対価の金額
  • 請求書受領者の氏名または名称
  • 軽減税率対象品目である旨(「※」印等を付けて説明する方法でも可
  • 税率ごとに区分して合計した対価の額(税込)
  • 適格請求書発行事業者の氏名または名称および登録番号

適格請求書等保存方式(インボイス制度)の施行に際して最も気を付けなければならないのは、免税事業者の立場が非常に弱くなってしまうことです。

ポイント

  • 仕入税額控除の証明書類として認められる「適格請求書」を交付できるのは、税務署に届出を提出して「適格請求書発行事業者」として登録を受けた事業者だけ
  • しかも課税事業者でなければ適格請求書発行事業者になれない
  • 適格請求書を発行できない免税事業者と取引すると仕入税額控除額が減ってしまうため、免税事業者は課税事業者から避けられやすくなる

免税事業者は取引相手を失って収入が激減してしまう恐れあり!!!

ちなみに、適格請求書等保存方式(インボイス制度)施行後、要件を満たした証明書類を準備できなくても、支払い金額の50~80%程度が仕入税額控除として認められる特例の経過措置がとられる予定です。しかし、それでも課税事業者にとって痛手であることに変わりはありません。

これまで免税事業者には消費税の申告・納付を免除されることで「益税」を自分の儲けに出来るメリットがありましたが、それが仇になってしまいます。免税事業者が今後とるべき選択肢は、二つに一つです。

  1. 消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出して課税事業者になり、2021年(令和3年)10月1日から受付開始予定の「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出して適格請求書発行事業者になる
  2. 意地でも免税事業者を貫く

 

1を選択すれば取引チャンスが増えますが、消費税の申告・納付手続きが必要になるデメリットがあります。2を選択すれば経理は楽ですが、大手企業から「あなたとの事業提携を解消します」と言われかねません。

おそらく多くの免税事業者が1を選択することで、適格請求書等保存方式(インボイス制度)移行後の消費税税収が増えることでしょう。個人的な推察ですが、安倍政権が執拗に消費税増税にこだわり続けた本当の狙いはコレではないかと勘繰りたくなります。

どちらが自分に合っているか、よく考えて結論を出しましょう。

COVID-19(新型コロナウイルス)補償の記帳の仕方


2019年12月頃から、中国湖北省武漢市を中心に世界中で猛威を振るっているCOVID-19(新型コロナウイルス)。SARSを上回るほどの感染力の高さを警戒し、世界各国で入国制限やイベント自粛の動きが強まっています。金融市場もリーマンショック並の荒れ相場の様相を呈しており、感染者の健康だけでなく、世界の経済活動にも悪影響を及ぼしています。

日本政府はCOVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大防止に伴う景気低迷を懸念し、108兆円規模の緊急の休業補償・支援策を打ち出しました。事業者向けの新型コロナ対策措置には、主に以下の10種類のような金融政策があります。

雇用調整助成金の特例措置

  • COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大防止に伴い、直近1か月間の売上や生産指標が前年同期比5%以上減少した事業者を対象に、休業手当・賃金等の一部を助成
  • 緊急対応期間は4月1日~6月30日
  • 助成率は、大企業の場合66%(3分の2)、中小企業の場合80%(5分の4)だが、解雇等を行わない場合は66%→75%(4分の3)、80%→90%(10分の9)にアップ(労働者一人当たり一日8,330円が上限)
  • 教育訓練を実施した場合、大企業なら一人当たり一日1,800円、中小企業なら一人当たり一日2,400円を加算
  • 中小企業が都道府県知事からの休業要請を受ける等、一定の要件を満たす場合は、休業手当全体の助成率を特例的に100%にする
  • また、中小企業が解雇等を行わず雇用を維持し、賃金の60%を超えて休業手当を支給する場合、60%を超える
    部分に係る助成率を特例的に100%にする
  • 支給限度日数は、1年間で100日、3年間で150日(4月1日から6月30日までの緊急対応期間は別枠扱い)
  • 休業等の初日が2020年1月24日から7月23日までの場合に適用可能
  • 新規学卒採用者など、雇用保険被保険者として継続して雇用された期間が6か月未満の労働者についても助成対象とする
  • さらに、雇用保険被保険者でない労働者の休業も助成金の対象に追加する
  • 休業等実施計画届や労使協定書などを所轄の労働局助成金相談窓口に提出する必要あり
  • 計画届の事後提出を1月24日~6月30日まで認める
  • 2020年5月20日から雇用調整助成金のオンライン申請に対応(不具合により延期していたが2020年6月5日から再開、その後再び休止)

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新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金

  • COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大防止に伴い、2020年(令和2年)4月1日~9月30日までの期間中に休業させられた中小企業の労働者のうち、休業中に賃金(休業手当)を受けることが出来なかった方に給付金を支給
  • 正社員に限らず、パート・アルバイト・週20時間未満の短時間労働者も対象
  • 支給額 = 休業前の1日あたりの平均賃金 × 80% ×(各月の日数 - 労働者の事情で休んだ日数)
  • 一日あたりの支給額は11,000円が上限(月額上限33万円)
  • 支給額は非課税所得にあたるため、確定申告時の記載は不要
  • 記入見本を参考に支給申請書および支給要件確認書を作成し、本人確認書類・通帳の写し・休業前および休業中の賃金額を確認できる書類の写しを添付して、「〒600-8799 日本郵便株式会社 京都中央郵便局留置 厚生労働省 新型コロナウイルス感染症対応 休業支援金・給付金担当」に郵送
  • 2020年(令和2年)7月10日から郵送による申請受付を開始
  • オンライン申請は後日開始予定
  • 失業手当の給付日数についても最大60日延長

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時間外労働等改善助成金の特例措置

  • COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大防止のためにテレワークを新規導入する中小企業事業主、または労働者が利用できる特別休暇の規定を整備する中小企業事業主を対象に、設備投資等の一部を助成
  • 助成対象は、テレワーク用通信機器の導入・運用費、就業規則・労使協定等の作成・変更費など
  • 補助率は、テレワークの特例コースの場合は2分の1(1企業あたり100万円が上限)、職場意識改善の特例コースの場合は4分の3~5分の4(50万円が上限)
  • 対象期間は2020年2月17日~5月31日まで
  • 交付申請書等を作成し、テレワーク相談センターに提出する必要あり
  • 交付申請書は2020年5月29日まで、支給申請書は2020年9月30日が申請期限

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新型コロナウイルス感染症に係る資金繰り支援

  • 5,000億円規模の支援策に加え、1.1兆円規模の貸付・保証枠を追加し、総額1.6兆円規模の金融支援を行う
  • COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大に伴い、直近1か月間の売上高が前年または前々年同期比5%以上減少している中小企業・個人事業主を対象に、金利を3年間一律0.9%引き下げた融資を実施(新型コロナウイルス感染症特別貸付・危機対応融資)
  • 個人事業主および売り上げが15%以上減少した小規模事業者、20%以上減少した中小企業の場合、利子を国が補填して実質無利子・無担保での貸し付けが可能となる「特別利子補給制度」も実施
  • 外的要因により一時的に業況が悪化している中小企業者を支援する融資制度「セーフティネット貸付」の要件も緩和
  • 売上高が前年同月比20%以上減少した場合、一般枠とは別に2億8000万円を上限に借入債務の100%を保証(セーフティネット保証4号)
  • 売上高が前年同月比5%以上減少した場合、一般枠とは別に2億8000万円を上限に借入債務の80%を保証(セーフティネット保証5号)

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マスク生産設備導入補助事業

  • マスク不足を解消するため、国からの増産要請を受けてマスク生産設備を導入する事業者に対して4.5億円規模の支援を実施
  • 補助率は、中小企業の場合4分の3、大企業・中堅企業の場合3分の2
  • 補助上限額は、1製造ラインに付き原則3,000万円

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個人向け緊急小口資金等の特例

  • 新型コロナウイルス感染症の影響によって一時的に収入が減少した世帯に緊急の貸し付けを実施
  • 低所得世帯(住民税非課税程度の収入世帯)・障害者世帯(身体障害者手帳等を交付された者がいる世帯)・高齢者世帯(65歳以上の高齢者がいる世帯)を対象とした「生活福祉資金貸付制度」の緊急小口資金および総合支援資金(生活支援費)に以下の表のような特例措置を設ける

・緊急小口資金(コロナのせいで休業し、一時的な資金が必要な方向け)

通常の規定 特例措置
貸付対象者 緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする低所得世帯 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、休業等により収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のための貸付を必要とする世帯
貸付上限 10万円以内 20万円以内に上限を引き上げ
措置期間
(元本の返済が不要な期間)
2か月以内 1年以内
償還期限
(貸付金を全額返済しなければならない期限)
12か月以内 2年以内
貸付利子 無利子 無利子

・総合支援資金(コロナのせいで失業し、生活を立て直す資金が必要な方向け)

通常の規定 特例措置
貸付対象者 低所得世帯であって、収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難となっている世帯
貸付上限
  • 2人以上の世帯:月20万円以内
  • 単身世帯:月15万円以内

貸付は原則3か月間

  • 2人以上の世帯:月20万円以内
  • 単身世帯:月15万円以内

貸付は原則3か月間

措置期間
(元本の返済が不要な期間)
6か月以内 1年以内
償還期限
(貸付金を全額返済しなければならない期限)
10年以内 10年以内
貸付利子
  • 連帯保証人あり:無利子
  • 連帯保証人なし:年1.5%
無利子
  • 個人事業主(フリーランス含む)・アルバイト・無職でも申請可能
  • 所轄の社会福祉協議会の相談窓口に行き、指示に従って必要書類を作成・提出する必要あり
  • 償還期限を迎えてもなお所得の減少が続く住民税非課税世帯には、償還免除の特例措置も検討
  • ただし、生活保護受給者や住所不定・多重債務者などは審査で貸付を拒否される可能性がある点に注意

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新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金

  • COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大防止に伴う一斉休校で仕事を休まざるを得なくなった事業者を対象に休業補償を行う
  • 対象となるのは、2020年2月27日から9月30日までの期間に子供が通う小学校・特別支援学校等の休校により臨時休業した事業者
  • 労働者を雇用する事業主の場合、有給休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額を助成(一日当たりの上限額が8,330円から15,000円に引き上げ)
  • 支給申請書を作成して、本社所在地を管轄する学校等休業助成金・支援金受付センターに各種書類を提出する必要あり
  • 業務委託を受けて働いている個人事業主(フリーランス)も対象であり、支給申請書を作成して住所地を管轄する学校等休業助成金・支援金受付センターに各種書類を提出する必要あり(子供の保護者でなければ対象外
  • ただし、フリーランスの場合は日額7,500円で固定(4,100円から引き上げ)
  • 申請受付期間は、いずれも2020年3月18日~2020年12月28日まで
本社所在地・住所地 学校等休業助成金・支援金受付センターの場所
北海道 〒550-8798
大阪西郵便局 私書箱62号
茨城、栃木、群馬、埼玉、
千葉、東京、神奈川
〒100-8228
東京都千代田区大手町2-6-2 6階662執務室
住所変更
〒103-0028
東京都中央区八重洲1-8-17 新槇町ビル9F
青森、岩手、宮城、秋田、
山形、福島、三重、滋賀、
京都、大阪、兵庫、奈良、
和歌山、鳥取、島根、岡山、
広島、山口、徳島、
香川、愛媛、高知
労働者を雇用する事業主の場合
〒105-0014
東京都港区芝2-28-8 芝二丁目ビル4階


フリーランスの場合
〒176-0012
東京都練馬区豊玉北3-21-7 アリアス桜台ビル2F

新潟、富山、石川、福井、
山梨、長野、岐阜、静岡、
愛知、福岡、佐賀、
長崎、熊本、大分、
宮崎、鹿児島、沖縄
〒176-6025
東京都豊島区東池袋3-1-1 サンシャイン60 25F
住所変更
〒135-0042
東京都江東区木場2-7-23 第一びる1F

 

事業者の税負担を軽減する税制上の措置

  • COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大防止に伴う自粛活動によって収入が激減している事業者が急増している状況を踏まえ、税負担を軽減する特例を設ける
  • 国税・地方税および社会保険料について、無担保かつ延滞税なしで1年間納付を猶予
  • 資本金1億円超10億円以下の企業に生じた欠損金について、欠損金の繰戻しにより法人税等を還付
  • 中小企業者等がテレワークのための設備の取得をした場合、設備の即時償却または設備投資額の7%(資本金が3,000万円以下の法人は10%)の税額控除が可能
  • 文化芸術・スポーツイベントを中止した主催者に対し、観客等が入場料等の払戻しを請求しなかった場合には、放棄した金額を寄附金控除(所得控除または税額控除)の対象とする
  • 住宅ローンを借りて新築・取得した住宅にコロナの影響で2020年12月末までに入居できなかった場合でも、控除期間が13年に延長された住宅ローン控除を適用可能とする
  • コロナの影響で売り上げが前年同期比50%程度以上減少した場合、課税期間開始後でも消費税の課税事業者選択届出書等の変更を可能とする
  • 公的金融機関等からの特別貸付に係る契約書の印紙税を非課税化
  • 事業者の保有する設備・建物等の2021年度の固定資産税および都市計画税を軽減(2020年2月~10月までの任意の3か月間の収入の対前年同期比減少率が30%~50%なら減免率は2分の1、50%以上なら全額免除)
  • 投資後3年間固定資産税が免除される中小企業・小規模事業者向けの特例に「事業用家屋(取得価額の合計額が300万円以上の先端設備等と共に導入されたもの)」と「構築物(旧モデル比で生産性が年平均1%以上向上するもの)」を追加、適用期限も2023年3月末まで延長

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中小・小規模事業者を対象とした持続化給付金制度の創設

  • COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大防止に伴う自粛の影響で売り上げが急減している事業者の倒産・廃業を防いで事業を持続させるために、返済不要の現金給付を実施
  • 業種を問わず、2020年1月~12月のいずれかの売上が前年から半分以上減った法人・個人事業主を対象とする
  • 給付額=前年度の総売上(事業収入)-(前年同月比50%以上売り上げが下落した月の売上×12か月)
  • ただし補償の上限額は、法人なら最大200万円、個人事業者なら最大100万円まで
  • 資金の使途は問わない
  • 2020年度補正予算案成立の翌日(5月1日)からオンライン申請を受付開始
  • 持続化給付金受給事業者は、事業所など住居以外の場所に係るNHK受信料を2か月間免除可能(要申請

新型コロナウイルスの持続化給付金に申し込んでみた!もらえる条件・申請方法をわかりやすく解説!【個人事業主は最大100万円・法人は最大200万円】

また、以下のように業種を限定した独自補助金制度もあり。

  • 新型コロナウイルス感染症患者との接触を伴う危険な業務に携わっている医療従事者に対し、一人あたり最大20万円を支給する厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業
  • 農家や漁師など農林漁業を営む個人または法人を対象に、諸経費の4分の3(補助上限額100万円)を支援する農林水産省の「経営継続補助金
  • 2020年2月1日以降に予定しながら延期・中止したコンサートなどを対象に、あらためて開催する場合の費用や海外に発信するための動画制作の費用などについて、5,000万円を上限に費用の2分の1を支援する「コンテンツグローバル需要創出促進事業費補助金

 

家賃支援給付金制度の創設

  • COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大防止に伴う自粛の影響で売り上げが急減している事業者の倒産・廃業を防いで事業を持続させるために、固定費の中で大きな負担となっている地代家賃の負担を軽減することを目的として「家賃支援給付金」を支給
  • 2020年5月~12月のいずれか1か月の売上が前年同月比50%以上減少した、または連続する3か月間の売上が前年同期比30%以上減少した中堅企業、中小企業、小規模事業者、個人事業者等が対象
  • 給付金額は、申請時の直近の支払家賃(月額)に基づき算出される給付額(月額)の6倍(6か月分)
  • 法人の場合、支払家賃(月額)が75万円までなら給付率は3分の2(給付金の月額上限は50万円)、75万円~225万円までなら給付率は3分の1(給付金の月額上限は100万円)⇒半年で最大600万円
  • 個人事業主の場合、支払家賃(月額)が37.5万円までなら給付率は3分の2(給付金の月額上限は25万円)、37.5万円~112.5万円までなら給付率は3分の1(給付金の月額上限は50万円)⇒半年で最大300万円


※2020年7月14日からオンライン申請受付開始予定。

各地方自治体が独自に展開している新型コロナウイルス関連の経済支援策は、J-Net21で公開されています。お住まいの地域の補助金・助成金・融資情報をチェックしましょう。


一般世帯向けの支援策として、所轄の税務署・年金事務所に申請すれば国税・年金保険料等の納付を先延ばしできる猶予制度が導入されました。

>>新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な場合

>>新型コロナウイルス感染症の影響により年金保険料の納付が困難となった場合の免除制度について

新型コロナウイルスの感染拡大によって公共料金や保険料の支払いが難しくなった場合、契約している会社・事業者等に申請すれば、電気・ガス・携帯電話料金等の支払い期限も延長される模様です。

携帯電話料金の特例

  • ドコモ・au・ソフトバンクは、25歳以下の学生のスマホの通信料金を軽減する措置を発表
  • 4月中はデータ購入の追加料金を一部無償化
  • 追加料金を支払わなくても速度制限なしにインターネットを使える(上限は50ギガバイト)
  • テザリングの月額利用料金も無料化
  • 適用期間を7月31日まで延長

>>「新型コロナウイルス感染症の流行に伴うU25向け支援措置」の実施(NTT docomo)

>>新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴う支援について(au)

>>25歳以下の“ソフトバンク”と“ワイモバイル”の利用者へ50GBの追加データを無償提供(softbank)

 

傷病手当金

  • 被用者保険や国民健康保険等に加入している被保険者が新型コロナウイルスに感染して労務に服することが出来なくなった場合、傷病手当金が支給される
  • 療養により仕事が出来なくなって3日経過した日から支給対象
  • 支給額は標準報酬日額の3分の2
  • ただし、被保険者期間が12か月に満たない場合、被保険者期間における標準報酬月額の平均額または当該被保険者の属する保険者の標準報酬月額平均額のいずれか低い額を算定の基礎とする

>>詳細はコチラ

 

住居確保給付金

  • COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大により収入が急減して家賃が払えなくなった方のために、生活困窮者自立支援法に基づく住居確保給付金の要件を緩和
  • 一定期間(原則3か月間、最大9か月間)家賃の一部を助成(生活保護の住宅扶助特別基準額が上限)
  • 申請月の世帯収入合計額が、基準額(市町村民税均等割が非課税となる収入額の12分の1)+家賃額以下であることが収入面の条件
  • 申請月の世帯預貯金合計額が基準額×6(かつ100万円を超えない額)以下であることが資産面の条件
  • 離職中の方はハローワーク等での求職活動が必要(2020年4月30日から要件撤廃)
  • 所轄の自立相談支援期間の相談窓口にて申請書等を作成・提出して審査を受ける必要あり

>>詳細はコチラ

また、店頭でマスクを入手できない状況が続いていることを考慮し、政府は再利用可能な布マスクを1世帯あたり2枚ずつ無料配布する方針を示しました。(感染者数の多い都道府県から順次実施。2枚では足りない世帯については、5月中旬を目途に追加配布の申し込み受付を開始予定。)

>>布製マスク(アベノマスク)の都道府県別全戸配布状況

消費税の減税が実現する可能性は低そうですが、以下のような現金給付案が決定しました。

一般世帯向けの緊急経済支援策

  • 所得制限を設けず、全国民に一律10万円を自己申告制により給付(生活困窮世帯に限定して30万円を支給する案は取り下げ)(特別定額給付金
  • 市区町村から発送された申請書に必要事項を記入して返送する「郵送申請方式」、マイナンバーカードを使ってマイナポータル上で手続きを進める「オンライン申請方式」の2種類の申請方法がある(やむを得ない場合に限り、市役所・区役所窓口でも申請可能)
  • 申請受付および給付開始日は市区町村ごとに決定される(申請期限は受付開始から3か月以内)

新型コロナウイルスの現金給付10万円をもらう申請方法(オンライン・郵送)をわかりやすく解説!【特別定額給付金】

  • 児童手当の受給世帯に子供一人当たり1万円の上乗せ
  • 新型コロナウイルス感染症の収束後には、飲食・観光などの事業向けに国がクーポン券等を配布して、大々的な消費喚起施策「GO TO キャンペーン」を展開(7月22日から開始予定)

 

学校・学生向けの緊急経済支援策

  • 各学校のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)対策を支援するため、国公立と私立すべての小中高校などに、政府が1校あたり100万円から500万円を支給
  • 早稲田大学や大分大学など、一部の大学では経済的に困窮している学生を対象に10万円程度の現金を独自に支給
  • また、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響でアルバイト等の収入が大幅に減少した大学生を対象に政府が現金給付を実施学生支援緊急給付金(文部科学省)
  • 住民税非課税世帯の大学生には20万円、それ以外の大学生には10万円を支給
  • 5月19日以降、国内の大学(専攻科、別科及び大学院含む)、短期大学(専攻科、別科を含む)、高等専門学校(第4学年、第5学年及び専攻科に限る)、専門学校(専修学校(専門課程(上級学科を含む)))及び日本語教育機関で順次受付を開始
  • 具体的な申請方法や申請締切日は各大学によって異なるので、在学校の発表する募集情報を必ずチェックしておくこと!

>>詳細はコチラ

さて、怪我や疾病等に起因した休業補償・傷病手当金、住居確保給付金、一般世帯向けの臨時給付金(特別定額給付金)等は税法上「非課税所得」に該当します。所得税の課税対象にならないため、確定申告時に金額を記載する必要はありません。エクセル簿記には、以下の画像のように「事業主借」として仕訳・記帳してください。

この記帳方法は、給付金等を事業用口座で受け取った場合。生活用の口座に振り込まれたと見なす場合は、エクセル簿記に記帳する必要は無い。

助成金・補助金・臨時休校時に支給される支援金・持続化給付金・各自治体が独自に展開している感染拡大防止協力金等は「雑収入」として計上します。消費税の税区分は「不課税」。消費税は課税されませんが、所得税の対象になります。(今後税区分が変更される可能性もあり。)

申請と支給が異なる年度で行われる場合は、「未収入金」の勘定科目を追加して仕訳・記帳する。

国や地方自治体から支給されるCOVID-19(新型コロナウイルス)関連の助成金等の税区分をまとめると、以下の画像のようになります。課税所得になるものと非課税所得になるものをしっかりチェックしておきましょう。

出典:国税庁

一方、コロナウイルス関連の貸付金を事業目的で利用する場合、「借入金」として仕訳・記帳します。簡単に言えば借金のことです。タダで貰える給付金と違い、債務者には期限までに貸付金を完済する義務があります。貸付金は計画的にご利用ください。

また、借入金は会計上「短期借入金」と「長期借入金」の2種類に分かれます。

  • 短期借入金:資金を受け取った年の翌年度の期首日(1月1日)から起算して1年以内に支払期限が到来する貸付
  • 長期借入金:資金を受け取った年の翌年度の期首日(1月1日)から起算して1年より後に支払期限が到来する貸付

※長期借入金を短期間に完済すると、後に融資審査を受ける際に非常に有利になる!

新型コロナウイルス関連の貸付金は「長期借入金」に該当します。厳密な会計処理を行うなら、短期借入金と長期借入金は分けて記帳しましょう。

「決算書4」のタブをクリックして貸借対照表のシートを開き、流動負債(短期借入金・未払金・貸倒引当金など)の下の緑色の空欄セルに「長期借入金」と入力して、固定負債となる勘定科目を自分で追加してください。

「仕訳帳」シートの「科目コード」をクリックして長期借入金のコードを確認し、日付・金額・摘要欄等に必要事項を入力しましょう。

ちなみに、利子が付く一般の短期借入金を返済する場合、「利子割引料」を付けて以下の画像のように仕訳・記帳します。(経費計上できるのは事業と関係のある貸付金の利子に限る。)

さらに、決算書3の「利子割引料の内訳」の欄に、支払先の住所・氏名、期末現在の借入金等の金額(完済した場合は「0」と入力)、年内に支払った利子割引料、そのうち経費計上する金額を記入してください。

「利子割引料の内訳」は、金融機関以外の個人・法人等からの借入金の利子がある場合にだけ記入する。金融機関に支払う利子は記入不要。

めったにないことですが、返済不能に陥った、融資してくれた会社が倒産した、等の理由で債務免除を適用するケースもあります。

債務免除を受けた場合、一般的には借入金の金額を「債務免除益」という特別利益として計上します。(消費税の税区分は「不課税」。)債務免除益は収入であり所得税等の課税対象になるため、借入金が債務免除されたからといって税負担が全くなくなるわけではありません。

しかし、「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難」である場合、債務免除益の特例が適用され、チャラになった借入金は収入金額に算入しないと定められています。(債務免除された借入金の金額を「事業主借」として仕訳・記帳。)COVID-19(新型コロナウイルス)感染症拡大による生活苦が要件を満たすかどうか微妙なので、もしも新型コロナウイルス関連の貸付金の償還免除を受ける場合は念のため管轄の税務署等に確認した方が良いかもしれません。

このように、無利子の借入金なら経済的だけでなく経理的にも扱いが楽です。

2020年4月7日に東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の7都府県で5月6日までを対象とした緊急事態宣言が発令されました。(4月16日に緊急事態宣言の対象地域を全都道府県に拡大。5月4日には、期限を5月31日まで延長。5月25日に前倒しで全面解除。)しかし、残念ながら政府は営業休止を求められた事業者への損失補塡を行わない方針を示しています。

各自治体が以下のような独自の休業補償的措置を打ち出していますが、赤字分を完璧に補填するのは難しいでしょう。COVID-19(新型コロナウイルス)によって経済的に困窮している事業者は、すでに発表されている政府の経済支援制度を積極的に利用してください。

東京都 8,000億円規模の予算を投じて以下のような緊急対策を実施

  • 緊急事態宣言中の休業要請に協力した事業者に対し、1店舗のみの事業者には50万円、2店舗以上の事業者には100万円の「感染拡大防止協力金」を支給
  • 感染拡大防止協力金の対象外になっている理髪店や美容院に対し、4月30日~5月6日に休業すれば1店舗事業者に15万円、複数店舗事業者に30万円を支給
  • 夜の街でのクラスター発生を防ぐため、休業要請に応じたホストクラブ・キャバクラ等の接待を伴う店に対し、1店舗につき50万円の協力金を支給
  • 宅配・テイクアウトサービスを始める飲食店に対し、初期費用として1事業者あたり最大100万円を助成
  • 加盟店が100以上の商店街を対象に、5月6日までの土日祝日に一斉または輪番での休業を実施した場合、1日あたり50万円を支給(上限400万円)
  • コンサートや舞台などを自粛したアーティストに対し、一人当たり10万円を支給してWeb上での配信活動を支援
  • 妊娠している女性にタクシーチケットや衛生用品を配布
  • 新宿区はコロナに感染したことが確認された区民に対し、10万円の見舞い金を支給

>>東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト

埼玉県
  • 緊急事態宣言中の休業要請を受けて4月8日から5月6日までの29日間のうち7割以上休業した中小企業および個人事業主に対し、1店舗のみの事業者には20万円、複数の事業所を持つ事業者には30万円を支給
  • 新型コロナウイルス感染症の影響を緩和するために適切な事業を実施する業種別組合に対し、500万円の「埼玉県業種別組合応援金」を支給

>>埼玉県内の感染確認状況等

千葉県 森田健作千葉県知事が100億円規模の支援策を打ち出し、前年同月比で売り上げが50%以上減少した事業者に対し、事業所が無い事業者には10万円、事業所が一つの事業者には20万円、複数の事業所を借りている事業者には30万円の支援金を支給する方針を発表

>>千葉県新型コロナウイルス感染症対策サイト

千葉市は以下のような独自休業支援を実施

  • 緊急事態宣言中の休業要請に協力した店舗の賃料減額・免除、支払猶予等の配慮要請に応じてくれたオーナーに対し、家賃相当額の10分の8の協力金を支給(上限50万円)
  • デリバリーサービスに対応する飲食店に対して、登録費用・月額手数料の2分の1および1回1,000円以上の利用で使える250円分のポイントを支援
  • クラスターが発生した際、施設名の公表や調査に協力してくれた事業者に対し、100万円の協力金を支給

>>千葉県千葉市の新型コロナウイルスに関する対応等について

市川市は以下のような独自休業支援を実施

  • 緊急事態宣言中の休業要請に協力した事業者に対し、最大20万円の給付金を支給
  • 前年度の収入が500万円以下で新型コロナウイルスの影響で20%以上収入が減少した世帯に対し、住民税に相当する金額を支給

>>千葉県市川市の新型コロナウイルスに関する対応等について

神奈川県 緊急事態宣言中の休業要請に協力した事業者に対し一律10万円、さらに事業所を一つ賃借している場合は10万円、複数の事業所がある場合は20万円を加算して協力金を支給(最大30万円)

>>神奈川県新型コロナウイルス感染症対策サイト

大阪府
  • 緊急事態宣言中の休業要請に協力した事業者に対し、個人事業主には一律50万円・中小零細企業には一律100万円の支援金を支給(前年同月比で売り上げが50%以上減少した事業者が対象)
  • クラスターが発生した施設が府からの要請を受けて事業者名を公表した場合、100万円を支給
  • デリバリーサービスに対応している飲食店に対して、1回1,000円以上の利用で使える500円分のポイントを付与
  • 府内の学校に通う児童生徒ら約100万人に対し、一人あたり2,000円分の図書券を配布

>>大阪府新型コロナウイルス感染症対策サイト

大東市は小・中学生の子供を持つ家庭に対し、子供一人につき10,000円を支給

>>大東市ウェブサイト

兵庫県 緊急事態宣言中の休業要請に協力した事業者に対し、個人事業主には50万円・中小企業には100万円の支援金を支給(収入が半減した等の受給条件が付く模様)
>>兵庫県緊急時用トップページ
福岡県 福岡県は独自の給付制度「福岡県持続化緊急支援金」を打ち出し、2020年1月以降、申請日の属する月の前月までの期間のうち、ひと月の売上が前年同月比30%以上50%未満減少した月がある事業者に対し、個人事業主には最大25万円、中小事業者には最大50万円を支給

>>福岡県新型コロナウイルス感染症ポータルページ

福岡市は緊急事態宣言中の休業要請に協力した事業者に対し、100億円規模の予算を捻出して以下のような独自支援策を実施

  • 中小・小規模事業者の店舗賃料の8割を支援(上限50万円)
  • ライブハウスや演劇場など文化・エンターテイメント施設に対して、無観客での映像配信設備などに関わる経費を支援(上限50万円)
  • 宿泊事業者に対して、施設内の消毒などの経費を支援(上限50万円)
  • デリバリーサービスに対応している飲食店に対して、1回1,000円以上の利用で使える500円分のポイント・クーポンを支給
  • その他、医療機関・社会福祉施設等にも特別給付金を支給

>>福岡市ウェブサイト

北九州市は以下のような独自休業支援を実施

  • 緊急事態宣言中の休業要請に協力した事業者に対し、店舗の賃料の5分の4を支援(上限40万円)
  • 宿泊事業者に対し、宿泊モニターキャンペーンや宿泊施設を活用したテレワークを支援
  • 飲食店事業者に対し、クラウドファンディングを活用した金銭補助や大手小売店等とタイアップしたデリバリーサービス支援などを実施

>>北九州市ウェブサイト

どうしたら良いのか迷っている方は、まずは中小企業・小規模事業者向け相談窓口に問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

東京都の新型コロナウイルス感染拡大防止協力金の申請方法・支給対象条件をわかりやすく解説!【最大100万円】

必要に応じて決算書の各項目も入力する

記帳を進めていけば「決算書1」と「決算書4」のシートは自動的に仕上がりますが、「決算書2」と「決算書3」のシートに関してはいくつか手作業で入力していかなければならない項目があります。

場合によっては自分で入力する必要がある項目

  • 給料賃金の内訳(源泉徴収税額の欄には年末調整した後の税額を記入)

  • 専従者給与の内訳(源泉徴収税額の欄には年末調整した後の税額を記入)

  • 貸倒引当金繰入額の計算


  • 青色申告特別控除額の計算
  • 減価償却費の計算

  • 利子割引料の内訳

  • 地代家賃の内訳
  • 税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳(「決算書1」で「支払手数料」の勘定科目を追加する)

  • 本年中における特殊事情(基本的には空欄で良いが、昨年度より急激に売上や経費等が増えた際に事情を説明しておくと、税務署に脱税を疑われずに済む)

※自分に該当しない項目については空欄のままでOK。

基本的に必要事項を入力するだけなので難しくはありませんが、減価償却費の計上には慣れが必要かもしれません。

少額減価償却資産の特例を適用せず、定額法に基づいて数年かけて償却していきたい場合は、以下の手順を実行してください。(平成30年4月1日に購入した20万円のパソコンの減価償却費計算例。)

定額法による減価償却費の計上手順

  • 国税庁の耐用年数表を参照して、減価償却費の計算を行いたい固定資産の法定耐用年数を調べる


  • 「決算書3」の「減価償却費の計算」にて、資産の名称・面積または数量・取得年月・取得価額を入力

  • 「償却方法」で「定額」を選択、「耐用年数」に先程調べた耐用年数を入力し、「本年中の償却期間」に今年使用した月数を入力

    今回の例では4月1日に購入してすぐに使い始めたので「9か月」となるが、実際に使用し始めたのが購入の翌月以降の場合は「8か月」や「7か月」などに変更して良い。
    また、翌年度の償却期間は「12か月」となる。

  • 事業に使用した割合を「事業専用割合」に入力(事業専用なら「100」、プライベートと兼用なら「50」)、
    「勘定科目」で固定資産の種類を選択
初年度の場合「前年期末残高」は空欄のままで良いが、翌年度からは「(ヌ)未償却残高(期末残高)」)の数値を記入する。

  • 「(リ)本年分の必要経費算入額」の数値を今年度末の「減価償却費」に計上する

    合計欄の数値の色が赤から黒になったら正しく計上されていることを意味する。


  • 固定資産の「(ヌ)未償却残高(期末残高)」)の数値が「1」になるまで、減価償却費の計上を毎年続ける

    今回の例では、購入から5年目に減価償却費の計上が終了する。

 

なお、エクセル簿記のさらに詳細な操作方法、シートの保護を解除するためのパスワード等を知りたい方は、ぜひ公式のマニュアルをお買い求めください。

操作解説、簿記解説、パスワードをパッケージしたPDFファイルがわずか2,200円(税・手数料込)という良心的な価格で販売されており、非常に参考になります。

ExcelB標準マニュアル

標準マニュアルに記載されているパスワードを使えば、エクセル簿記のシートの保護を解除して、旧元号の「平成」から新元号の「令和」に変更することが出来ます。(そのまま「平成」で使い続けても全く問題はありません。)

追記:2020年1月中旬に最新版のエクセル簿記バージョン3.6がリリースされました。
元号が「平成」から「令和」に更新されており、自分でシートの保護を解除して修正する必要はありません。
旧バージョンのエクセル簿記を使っている方は、早めに無料ダウンロードして記帳データ等を移行してください。(コピペすればOK。)

これらの記帳作業をきちんと毎日継続していけば、12月31日が終了した時点で青色申告に必要な各書類が完成しているはずです。

翌年の1月1日になったら再びExcelB.xlsを開き、「はじめに」シートで会計期間を入力後に「名前を付けて保存」で新しいエクセルファイルを作成し、翌年度の記帳を始めましょう。すでに来年分のエクセルファイルを作っている場合は、そのファイルに上書き保存していけば良いです。

なお、エクセル簿記の更新がないかダウンロードページを定期的にチェックすることもお忘れなく。

年度更新の際、前年度の貸借対照表(「決算書4」のシート)の期末データを本年度の貸借対照表(「決算書4」のシート)の期首欄にコピー&ペースト(値のみ貼り付け)すれば入力の手間を省けます。(氏名・住所等のコピペや減価償却費計上中の固定資産の情報の引き継ぎも忘れずに行う。)

そして2月中旬~3月中旬の時期になったら、前年度のエクセル簿記の各決算書シートを見ながらe-Taxで確定申告を行えばよいのです。

電子申告が終わったら、プリンタをお持ちの方は、確定申告書・青色申告決算書・仕訳帳・総勘定元帳(各勘定科目ごと)を印刷して、電子データだけでなく実物の書類としても保管しておくと良いでしょう。

【2020年最新版】e-Taxの使い方を利用開始手続きから納税方法まで徹底解説!初心者でもネットで確定申告できる!

まとめ

今回は、エクセル簿記の基本的な使い方、複式簿記の書き方、青色申告決算書の作成手順などをご紹介いたしました。

最後にもう一度今回の記事の要点をまとめると、以下の3点が挙げられます。

  • 青色申告で65万円控除を適用するには複式簿記の記帳が必要
  • フリーソフトのエクセル簿記を使えば、無料で青色申告決算書データを作成できる
  • 12月31日分までの入力が終わったら、そのデータを見ながらe-Taxで確定申告を行えば良い

青色申告の記帳は毎日の収支を正確に記帳し続けなければならず、最初は面倒くさく感じるかもしれません。

しかし、歯磨きのように生活習慣の一部に組み込んでしまえば無意識に体が動くようになるので、あまり気張らず日記感覚で入力していくと良いでしょう。

青色申告による節税に興味のある方は、ぜひ本記事を参考にしてエクセル簿記の使い方を習得してみてください。

          

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