2017/03/30

このままトランプ政権への期待感が後退すれば円高トレンドの再来か!?4月の為替相場の展望を探る!

出典:TheIntercept

3月のドル円相場について

2017年3月のドル円相場は、利上げへの期待で一時115円台に達した局面が見られたものの、FOMCでの利上げ発表後は一気にドル売りが進んで円高に傾斜しました。3月の利上げは市場で織り込み済みだった上に、期待外れの緩慢な利上げペースが失望感を誘った模様。さらにNYダウの急落や原油安などのリスク要因も重なり、遂に110円台に突入。まさに、「噂で買って事実で売る」という相場の格言通りの展開と言えます。

昨年の終盤から一気に円安が進んだ理由であるトランプ政権への期待感も、ここのところ潮が引くように薄れつつあります。24日に米下院で予定されていたオバマケア(医療保険制度)代替案の採決は、「内容が不十分である」と主張する共和党の保守派議員らの反対により断念。ヘルスケアプランの挫折に伴い、投資家が注目してきたインフラ投資や法人税減税などの税制改革が遅れる展開が現実味を帯びてきました。金融政策の議題に早く移れるという見方もできますが、株価上昇要因だった法人税減税が先送りになれば、NYダウの下落、ひいては日経平均の下落や円高を誘発することになります。

トランプ政権の予算教書

さて、先々週の3月16日に、トランプ大統領は2018年度の予算教書を発表しました。メキシコとの国境に設ける予定の壁の建造費等、国防関連の予算が前年比約10%のアップ。そして、科学・環境関連の予算を約500億ドルも削減する内容となっていました。

無駄な支出を節約して国内のサービス増強を図ることを重視したという方針に対し、共和党内部からも反発の声が上がる始末。一般的にアメリカの予算審議は夏場から秋頃には成立するものですが、ここまで議会との関係がギクシャクしていると日程がズレこむ可能性があります。政権の迷走はさらに投資家の混乱を招き、投げ売りにより大きな円高を引き起こす展開も考えられます。

これまでトランプ大統領は大統領令を活用して移民の規制やTPP交渉離脱などを強引に推し進めてきました。しかし、トランプ政権の公約である大規模な減税やインフラ投資等は議会による立法化が必要。オバマケア撤廃という公約を果たせなかった時に「屈辱的な敗北」というコメントがあったように、トランプ政権と共和党が一枚岩でないことが白日の下に。トランプ大統領の交渉力にも疑問符が付いた今、法案が議会を通過する見通しが立たないとなると、先行き不透明感が広がってドル円の軟調が続くパターンも十分に想定されます。

4月の投資戦略

現在の米国経済の数値は堅調です。しかし、短期金利の上昇とは裏腹に長期金利は萎んでおり、手放しで投資できる楽観的な状況とは言い難いものがあります。そもそも短期間に利上げを連続して行えば、株価やGDPの下落を引き起こしかねません。その点では年内の想定利上げ回数が残り2回程度という発表は極めて合理的ですが、ドル高を牽引してきた利上げへの期待感を薄れさせているのもまた事実。トランプ政権の進めるドル高牽制方針と相まって、上値の重い展開を意識した方が良いでしょう

政治情勢的にはリスクオフの気配が濃厚ですが、テクニカル的にみると現在のドル円は急激に円高に傾きすぎです。112~113円台辺りまでの反発を想定しつつも、下値を探る円高の動きを警戒していくべきです。110円台割れも考慮した方がいいかもしれません。

また、4月には欧州の政治イベントも控えています。4月23日・5月7日にはフランス大統領選挙の投票があり、政局不安が株式・為替相場を揺るがす可能性があります。29日に実施された英国のEU離脱通知も、今後欧州圏の相場を動かす材料になりえます。EU側は英国に500億ポンド(約7兆円)を支払うように要求しており、交渉次第では高関税が導入されて英国経済を圧迫する要因になります。3月22日に英国ロンドンでIS関連のテロが勃発したように、予期せぬ地政学的リスクにも注意が必要。これからの相場は、「いつでも逃げられる備え」をして臨むことが大切です。

          

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