2016/05/30

伊勢志摩サミット閉幕!消費税引き上げ先送り表明後の為替相場の展望を探る!

G7

2016年5月26・27日に、三重県志摩市賢島にある「志摩観光ホテル」で開催された第42回先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)は、オバマ大統領が歴代アメリカ合衆国大統領として初めて広島を訪問し核廃絶に向けて演説を行うなど見所の多いイベントとなりました。
日本の安倍晋三首相、アメリカのバラク・オバマ大統領、フランスのフランソワ・オランド大統領、イギリスのデーヴィッド・キャメロン首相、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、イタリアのマッテオ・レンツィ首相、カナダのジャスティン・トルドー首相、欧州連合のジャン=クロード・ユンケル委員会委員長とドナルド・トゥスク理事会議長、先進7か国の代表者が一堂に会し、世界経済のリスク対策などについて協議。その結果や今後の為替相場の展望についてまとめてみましょう。

消費税増税再延期

一番のポイントは、「消費税増税の先送り」です。安倍晋三首相は「リーマン級」の危機により経済がマイナス成長となったため、2017年4月に予定されていた消費税を10%に増税するプランを先送りする方針を表明しました。2年間再延期するために必要な法改正を秋の臨時国会にて実施する見通しです。

あえて「リーマン級」という言葉を選択したのは消費税増税の先送りと共に財政出動を正当化するためでしょうが、各国首脳の反応はまちまちでした。ドイツのメルケル首相は、「クライシス(危機)とまで言うのはいかがなものか」と反論し消極的な態度を示唆。オバマ米大統領も日本の円売り介入を牽制。結局、サミットの首脳宣言にて自国通貨を故意に下げる通貨安競争を回避して過度な変動を容認しない原則を確認し、各国ごとにバランスの取れた成長戦略を求めるに留まりました。

消費税増税の先送りは日本経済にとってプラスかマイナスか?

2014年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられた後、大方の予想通り個人消費は低迷を続けています。多少改善したもののGDP成長率もほぼ横ばいであり、日本経済の現状はあまりかんばしくありません。消費税増税が予定通りに実施された場合、間違いなくさらに消費は減るでしょう。

その点、消費税率引き上げを先送りすれば、劇的に消費が増えるわけではありませんが、景気を下支えする効果は期待できます。消費低迷が長期化して株安が深刻化する事態を回避できるのは大きなメリットです。

しかし、消費税率引き上げが延期されることで財源確保が難しくなり、政府の進める財政健全化の取り組みが後退するのは問題です。大手格付け会社により国債の信頼を下げられ、債券価格の下落・金利上昇が起これば、長期的な株安・円高になるリスクも否定はできません。

今のところG7関連の報道に対して市場の反応は限定的ですが、今後安倍政権の判断がどのように評価されるか警戒する必要があるでしょう。

今後注目すべきイベント

すっかりオバマ大統領に話題を取られてしまった欧州圏の首脳陣。フランスのオランド大統領は英国のEU離脱に対し懸念を表明しているように、6月23日に予定されている英国の国民投票の行方も気になるところです。世論調査の結果は残留派が若干脱退派を上回っていますが、その差は微々たるもの。もしも英国がEUを脱退すればポンドやユーロの暴落が起こる可能性があるので、その動向には細心の注意を払う必要があります。

また、ドル円相場も他人事ではありません。一時105円台まで円高が進んだ後110円台まで戻していますが、現在の円安の流れは早期利上げ実施への期待によるものが大半を占めています。かつて、先行したマイナス金利拡大の思惑が日銀ショックを引き起こしたように、過度な利上げ期待が牽引している円安に便乗するのはリスキーです。失望売りが発生すれば再び一気に円高に進む可能性があります。

2月に導入されたマイナス金利政策の効果はいまだ不透明であり、関係者の間では6月頃に日銀が何らかの追加緩和に踏み切るのではないかとの声も上がっています。6月は相場のトレンドが大きく変わる時期になるかもしれません。経済ニュースをチェックしながら慎重に取引を続けましょう。

          

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