人民元ショックは何故起こったのか?原因と今後の展開を考察

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ここまでの人民元ショックの経緯

事の発端は、中国人民銀行が8月11日に発表した人民元切り下げ政策でした。前日から約1.8%切り下げられ、1ドル=6.2298元に。しかも人民元の切り下げは12日以降も実施され、11~13日の3日間で実に4.6%も切り下げられることになりました。

人民元は、中国当局により基準値や変動幅が厳しく制限されている通貨です。これまで一貫して1ドル6.11元前後にコントロールされてきた人民元がまさかの大幅安。アメリカに匹敵するほどの経済大国がプライドをかなぐり捨ててまで輸出不振を払拭しようともがいている状況は、それほどまでに中国の景気が悪化していることの裏返しでもあります。多くの投資家が不安に駆られ、一気に売り注文が殺到。その結果、ニューヨーク、ヨーロッパ、アジアなど世界各国の市場で株価指数が大幅下落。日経平均も400円近く値を下げ、米ドル/円は125円台から123円台まで急激に円高が進みました。

その翌日の8月14日、中国当局が人民元調整の終了を宣言すると、市場の混乱は次第に落ち着きを取り戻します。米ドル/円も再び円安基調に戻り、世界中のトレーダーを驚かせた人民元ショックは収束したかと思われました。

ところが、その翌週に入ると、株価の下落が再燃し始めます。連日に渡って売り注文が殺到し、8月21日には遂に日経平均株価が2万円割れする事態に。24日のニューヨーク市場ではNYダウが一時1000ドル近く暴落し、パニック売りによる世界同時株安が関係者を震え上がらせました

為替相場でも、米ドル/円が数分のうちに119円台から116円台へ約3円も一気に円高に進むという異常事態が発生。日本中が大混乱に陥りました。

8月26日に中国当局が追加金融緩和政策を発表すると、1万8000円割れしていた日経平均は500円超高の反発。買い注文が戻り、NYダウ、上海総合指数にも少しずつ回復傾向が見え始めます。

8月28日時点で日経平均は1万9000円台まで価格を戻し、米ドル/円も121円前後を堅調に推移しています。およそ2週間に渡るリスク資産市場の荒れ相場は、ようやく落ち着きを取り戻しました。

中国経済減退の原因は?

年初来59.7%高の高値を付け、堅調に推移していた上海株。投資家の間では非常に魅力的な存在に映っていましたが、最近では中国株バブルの崩壊を現実的に見据える意見が少なくありません。

中国株の急激な躍進は、習近平総書記の権力基盤強化への期待や、金融緩和を契機とした新参投資家らによる大量の買い注文に支えられてきました。しかし、中国で極めて大きなウェイトを占めている輸出業は、米ドル高と連動した人民元高のせいで近頃では伸び悩みが続いています

為替相場の影響による中国経済の悪化は深刻です。人民元高(米ドル高)=上海株安という構図が出来上がってしまったため、中国国内からは「我々の景気が低迷しているのはアメリカのせいだ!」と責任転嫁するようなコメントまで飛び出しています。

苦肉の策として打ち出した元安誘導も、逆に投資家の中国経済への不信感をあおる結果に。しかも完全に不意を突くタイミングだったため、中国当局ですら予想していなかった大規模な世界同時株安を引き起こしてしまったのです。

中国の経済問題は今後どうなる?

株式・為替市場は小康状態にありますが、大半の投資家は「中国の経済問題に関する不安要素はまだ完全には解消されていない」と見ています。

政府が株価の下支えにつぎ込んできたおよそ9000億元もの大金が無駄になったことは、強引なやり口への批判を増大させる要因となりました。せっかく集めた金融のプロたちも規制だらけの当局内の仕事に幻滅して続々と退職しており、現況に対応できる人材が絶望的に不足しています。共産主義の中国では国家レベルの粉飾は日常茶飯事。中国経済の実態は公表されているデータよりもっと悪いのではないかという意見も少なくなく、明るい話題はほとんど見当たりません。今後も世界経済を揺るがす可能性を秘めた極めて危うい懸念材料になりそうです

世界各国の要人も中国の経済問題に注目しており、早急な対応が必要であるとの見方を示しています。

その鍵を握っているのは、やはり世界経済の中心国であるアメリカに他なりません。9月利上げの可能性に関して消極的な見解を示したダドリーNY連銀総裁の発言で株価が急騰したように、米国政府の動くタイミング次第で株価や為替相場は大きく変動します。当面の間は、ニューヨーク市場や先物の動きに注意しながら取引を続けた方が良いでしょう

          

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