クラウドファンディングとは一体何?仕組みや投資方法を徹底解説

クラウドファンディング

出典:youtube

クラウドファンディングとは、インターネットを活用して不特定多数の人々から出資を募る手法の一種です。ちなみに「クラウドファンディング(crowdfunding)」という言葉は、crowd(群集)とfunding(資金調達)を組み合わせた造語で、ソーシャルファンディングと呼ばれることもあります。

新規事業の開拓など何らかの目的のために募金活動を展開する行為は古来から行われてきましたが、ITの普及により低コストかつスピーディーに資金調達を実現することが可能になりました。また、クラウドファンディングの中には資金を提供するとお礼に商品や配当金を貰えるものもあり、出資者にとっても非常に魅力的なサービスです。うまく活用すれば、副業としても大変重宝します。

なぜクラウドファンディングを利用する人が多いのか、クラウドファンディングはどのように発展していったのか、どうすればクラウドファンディングに参加できるのか、近年ネット上で広く関心を集めているクラウドファンディングの基本を具体的に見ていきましょう。

クラウドファンディングの強み

クラウドファンディング2

出典:youtube

たとえば、クリエイティブな職種を目指している方が、ある日「自主製作映画を作りたい」と思い立ったとしましょう。じっくりプロットを練り上げ、絵コンテも仕上がり、完成してYouTube等の動画サイトに公開すれば多額の広告収入を得られる自信があるとします。

しかし、現実社会ではどれほどやる気があっても「金」が無ければビジネスは始まりません。人材募集や衣装・撮影機器の準備などに多額の出費を伴います。大手企業の関係者に企画書を提示してスポンサーになってもらうのが一般的な手順ですが、その関係者が首を縦に振らなければ夢をあきらめなければならないのが実情です。

そんな時に重宝するのが、クラウドファンディングの存在です。クリエイターがクラウドファンディングサイト上で映画のコンセプトや筋書などを公開し、「その自主製作映画を是非見てみたい」と思う人々から十分な資金を集めることが出来れば、ただちに自主製作映画の撮影に取り掛かることが可能なのです。

調達者にとっては、手軽に資金を集めて自分のアイデアを実現できるメリットがあります。出資者にとっても、自分の財力に負担のかからない形でプロジェクトに参加できるため、リスクとリターンのバランスが良いというメリットがあります。

このように、クラウドファンディングを活用すれば、法人だけでなく個人にも多額の資金を調達できるチャンスがあります。クラウドファンディングで最も重要なのは、「出資者がそのプロジェクトに賛同してくれるか」という点です。上場に際して厳しい審査を経なければならない株式より遥かに手続きが簡単なので、金融機関等から資金を調達することが難しい方でも積極的な経済活動が可能になるメリットがあります。

実際、海外では自分たちの音楽活動にクラウドファンディングを利用しているミュージシャンが少なくありません。CDをリリースするにせよ会場を借りてライブをするにせよ、音楽活動にもお金がかかります。大手のレコード会社がバックについている人気アーティストならいいですが、駆け出しのアマチュアバンドやレコード会社をクビになった歌い手さんなどは資金繰りが大変です。そんな時にクラウドファンディングで出資を募れば、堂々と自分たちの音楽活動を続けることが出来ます。まさに、アーティストとファンをダイレクトに結びつける理想的なサービスです。

クラウドファンディングの歴史

クラウドファンディング3

出典:youtube

赤十字募金や緑の羽根のように、特定の目的のために不特定多数の人々からお金を集めるという手法は古来から世界中で広く行われてきた行為であり、こんにちのクラウドファンディングの基本的なコンセプトとなっています。

たとえばクラウドファンディングの先進国であるアメリカでは、19世紀頃に自由の女神像を製作する過程において新聞広告を用いて大衆から工事資金用の寄付を募るという試みが実施されました。一人あたりの寄付額は決して多くはありませんでしたが、半年間で10万ドル以上もの資金を調達することに成功したそうです。

インターネットが民間に普及し始めた2000年前後になると、ネット上で資金繰りのための寄付キャンペーンを展開できるユニークなクラウドファンディングプラットフォームが誕生するようになりました。街頭募金のように多くの人手を介する必要が無い分、低コストで簡単・迅速に必要な資金を募ることが出来るのがネットの強み。新サービスは瞬く間にユーザーの関心を集め、クラウドファンディングの存在は世界中に知れ渡っていきました。その中でも、2000年にリリースされたArtistShare、2008年のIndieGoGo、2009年にリリースされたKickstarterは突出した知名度と人気を誇っています。

映画、音楽、アニメーション、ゲーム、資金調達に苦労しているクリエイターはもちろんのこと、戦争や天変地異のせいで生活のままならない被災者を支援するためのボランティア活動や難病に苦しむ患者を救済するための手術費用確保など、クラウドファンディングの用途は多岐にわたっています。今やクラウドファンディングは、人類の発展にとって必要不可欠な存在と言っても過言ではないでしょう。

クラウドファンディングの種類

クラウドファンディング4

出典:youtube

クラウドファンディングは、出資者に対するリターンに応じていくつかの種類に大別されます。

一つ目は、出資者に一切金銭的メリットのない「寄付型クラウドファンディング」。文字通り、特定のプロジェクトのために自己資産を無償提供するタイプであり、災害復興や難病患者の治療など困っている人々を支援するために活用されることが多いです。

二つ目は、調達者が提供している商品あるいは権利等を出資者が直接購入して金銭的支援を行う「購入型クラウドファンディング」。オリジナルアーティストグッズや手料理など、市販されていないユニークな商品を獲得することの出来るメリットがあります。その分、その商品が本当に出資の対価に見合うかどうかの尺度が微妙であり、出資者に満足してもらうことが参加者を増やす上で最も重要なポイントになります。どちらかと言えば寄付に近い形態のクラウドファンディングと言えるでしょう。

三つ目は、金銭的リターンを伴う「金融型(投資型)クラウドファンディング」。立ち上げたプロジェクトが一定の成功を収めたら、感謝の気持ちとして出資者に幾分かの配当が支払われます。まさに貨幣経済社会におけるギブアンドテイクの理念にのっとったタイプであり、参加者の善意に頼らない分、安定した出資を見込めるメリットがあります。

また、金融型(投資型)クラウドファンディングは、「ファンド型」、「株式型」、「貸付型(ソーシャルレンディング)」の三種類に区分されます。

ファンド型は、調達者が展開している個々の事業プロジェクトに対して出資を行うものです。公開されている事業概要や実行プランなどの情報を見て、そのプロジェクトの将来性や成功率を出資者自身が判断しなければなりません。進捗状況は報告してもらえますが、基本的に事業計画に関与することは出来ません。一定の売り上げが出れば、金銭あるいは商品として利益が還元されます。

株式型は、法人の発行している株式を購入して出資を行うものです。ただし、東京証券取引所で取引されているようなメジャーな株式ではなく、あくまで非上場株式への投資となります。ファンド型と違い、出資者は株主として経営に参画することが可能です。元本を回収するためには非上場株式を売却しなければならずリスクが高い反面、その会社が新規上場あるいは大会社に買収されれば予想外の利益を得られる可能性もあり、まさにハイリスク・ハイリターンのクラウドファンディングと言えます。

貸付型(ソーシャルレンディング)は、文字通り調達者に資金を貸し付けるタイプです。個人あるいは企業は、調達した資金を元手に事業を展開。金銭消費貸借契約に基づき、出資者に利子が支払われます。調達者の事業内容が分かりづらい分、その人物または団体が信頼に足る相手がどうかを正確に見極めなければなりません。金融知識を要する高度な投資手法です。

クラウドファンディングの市場規模

クラウドファンディング5

出典:CrowdReady

世界のクラウドファンディング市場の調査を行っているMassolution社のレポートを見れば、クラウドファンディングの市場規模が近年急速に伸びていることが分かります。

2012年時点でクラウドファンディングの市場規模は前年比約2倍の28億ドル(およそ2300億円)、翌2013年には約60億ドル(およそ6000億円)、2014年には約160億ドル(およそ1兆9000億円)に達しています。地域別に見てみると、北米が全体の約60%と高いシェア率を誇っています。その一方、13億以上の人口を抱える中国でクラウドファンディングの需要が伸びているため、アジアが前年比300%超と大幅な躍進を見せているのが特徴的です。

2015年になると、欧米のクラウドファンディング市場の成長が徐々に低迷していきます。その反面、アジア方面では依然として高い成長率を示しており、近い将来世界トップクラスのシェア率を誇る北米に肩を並べるのではないかと見込まれています。全体では4兆円規模に達するとの試算もあり、今後もクラウドファンディングは世界的な巨大ビジネスとして発展し続けそうです。

タイプ別に着目すると、特に成長が目覚ましいのが貸付型のクラウドファンディングです。2012年度時点では全体の4割程度のシェア率でしたが、2014年度には全体の7割近くまでシェア率を伸ばしています。出資者に見返りの無い寄付型のクラウドファンディングのシェア率が沈んでいることからも、副収入目的でクラウドファンディングに参加する人々が増えていることがよく分かります。

クラウドファンディングに関する法律

クラウドファンディング6

出典:youtube

多くの方がクラウドファンディングについて気にするのは、法的信頼性の問題です。クラウドファンディングの基本的な特徴が分かっても、そのサービスがきちんと国によって認可・保証されていなければ不測の事態が起こった時に取り返しのつかないことになってしまうため、どうしても二の足を踏んでしまいます。はたしてクラウドファンディングというシステムには、自分の資産を安心して託せるほどの信頼性があるのでしょうか。

クラウドファンディングの先進国であるアメリカでは、2012年にJOBS法(the Jumpstart Our Business Startups Act)と呼ばれる法律が成立しました。この法律により、株式非公開企業でもクラウドファンディングを通じて不特定多数の人々から事業資金を調達することが法的に認可されました。株式市場に上場するのは企業にとってもハードルの高い作業である上に、全ての市民が証券会社に口座を開設して株式取引を行っているわけではありません。気が向いた時に手持ちの金で出資できるクラウドファンディングは、低迷するIPO(新規公開株)の代替になりうる金融商品として政府もサポートしているのです。

一方日本では金融商品取引法の規制により、クラウドファンディングにおける個人間の送金が厳しく制限されてきました。特に投資型のクラウドファンディングの場合、匿名組合による出資行為が有価証券の一種・集団投資スキーム持分に該当するため、第2種金融商品取引業の登録が必要になるという煩わしさが問題視されてきました。金融商品取引法の規制を受けない寄付型や購入型のクラウドファンディングが日本で最も主流なのはこのためです。また、寄付型のクラウドファンディングの場合、一般的な寄付行為と違い、確定申告において控除が受けられないという税制面のデメリットがあります。(法人の場合は一定金額まで損金に計上可。)

そこで2014年~2015年にかけて規制を緩和する改正金融商品取引法が施行され、これまで禁止されていた金融型(投資型)クラウドファンディングが解禁されることになりました。アメリカに後れを取りましたが、この法律によりクラウドファンディング市場がより活性化することが期待されています。

しかし、法的に認可されているからといっても、金銭的リスクが一切無いというわけではないということをお忘れなく。クラウドファンディングもFXや株式取引と同様、自分の裁量で行う投資の一種です。出資したプロジェクトがうまく軌道に乗らず、期待していた配当金が支給されることなく終わってしまうことも珍しくありません。参加の判断は全て自己責任です。

日本におけるクラウドファンディングの現状

クラウドファンディング7

日本でクラウドファンディングが普及するようになったのは、2011年3月に発生した東日本大震災が切っ掛けでした。震度7、マグニチュード9.0という未曽有の大地震が東北地方一帯を襲い、地割れや津波などの影響で15000人以上もの人的被害が発生しました。

全国各地で被災者を救おうという機運が高まり、同時期にリリースされた日本初のクラウドファンディングサイト・READYFORで復興支援の寄付を募るキャンペーンが多数展開。みんなで出資し合ってプロジェクトを完成させるクラウドファンディングサービスの存在が広く知れ渡るようになったのです。

その後も国内のクラウドファンディングの市場規模は右肩上がりに成長を続けていきます。2012年時点の市場規模は約70億円、2013年は123億円、2014年は197億円、そして2015年には前年比40%超の283億円に達しました。

件数的には購入型が最も多いですが、一件当たりの調達資金が圧倒的に多額である貸付型(ソーシャルレンディング)が全体の8割近くのシェア率を占めています。購入型や寄付型が多いのは日本の法制度が最たる要因。改正金融商品取引法が施行されたことで、今後は貸付型の件数も増加しクラウドファンディングの市場規模はさらに発展を続けていくことが予想されます。

意外に思う方がいるかもしれませんが、最近では大手家電メーカーも積極的にクラウドファンディングを利用しているのが実情です。ビジネスとして企画を立ち上げなければならない以上、採算が取れないと判断された新商品は会議の段階で開発中止に追いやられてしまいます。そんな時、クラウドファンディングで調達した資金を開発費に充てれば、企業はノーリスクで新商品の製作に取り掛かれます。

時に不景気はクリエイターのチャレンジ精神まで圧迫してしまうもの。クラウドファンディングは日本経済の低迷を打破する起爆剤になる可能性を秘めています。世界的に見れば現在の日本のクラウドファンディングの市場規模は全体の数%程度に過ぎませんが、やがては欧米に匹敵するほどのマーケットになるかもしれません。

実際にクラウドファンディングに参加するには?

クラウドファンディング8

もしも貴方がクラウドファンディングを始めたい、あるいは任意のプロジェクトに出資したいとお考えなら、まずはクラウドファンディングサイト選びから始めましょう。優秀な企画発案者、頼りになる出資者と巡り合うためにも、出来るだけ利用者数が多くて知名度の高いサイトを選ぶことが肝心です。

ユーザーの多さで言えばクラウドファンディング先進国アメリカのKickstarterやIndieGoGo、GoFoudMeなどが有名です。とはいえ、当然のことながらこれらのサイトでは英語が公用語なので、英語が分からない方はいろいろと不便するでしょう。日本がサポート国に含まれていない場合もあるので、安全性を重視するなら日本国内のサービスサイトを利用した方が賢明です。日本のクラウドファンディングサイトの一例を挙げると、CAMPFIRE、READYFOR?、COUNTDOWN、Makuake、WESYMなどがあります。

調達者としてクラウドファンディングサイトを利用する場合、まずは所定の申込ページにアクセスして自分の企画内容や集めたい目標金額などを記載し、運営に申請します。その後運営会社の審査が行われ、無事パスすればサイト上でプロジェクトが公開されます。ちなみに多くのクラウドファンディングサイトでは専任のアドバイザーがサポートしてくれるので、説明文の書き方や具体的な金額・期間設定が分からない初心者の方でも安心です。

期間満了後、目標金額に達成した場合は調達資金から所定の手数料を差し引いた金額が自分の口座に振り込まれます。(達成できなかった場合は出資者に返金。)その後、支援してくれた方々に挨拶や特典品贈呈などのお礼を実行して終了です。

一方、出資者としてクラウドファンディングサイトを利用する場合、まずはサイトのユーザーアカウントを作成する必要があります。プロフィールを作成後、検索コーナーで任意のプロジェクトページにアクセスし、気になるものがあれば「支援する」ボタンをクリック。金額を指定して決済すれば支援手続きが完了します。(クレジットカード決済や銀行振込などが可能。)伝えたいメッセージがあれば、応援コメントを送信することも出来ます。

このように、クラウドファンディングサイトの利用方法は非常に簡単です。目標を達成するために資金を集めたい方、夢を追い求める人たちを経済的にサポートしてみたい方は、ぜひクラウドファンディングサイトをチェックしてみてはいかがでしょうか。金銭的見返りもさることながら、それ以上の充足感を得られること間違いなしです。

クラウドファンディングサイト名 CAMPFIRE READYFOR? COUNTDOWN Makuake WESYM
特徴 国内最大規模の人気を誇るクラウドファンディングサイト。1300件以上のプロジェクトで約6億円を集めている。(2016年6月時点。)
著名人も利用しており、マスコミに紹介される案件も多い。業界最安値の手数料も魅力。
日本初のクラウドファンディングサイト。4000件以上のプロジェクトで約25億円を集めている。(2016年6月時点。)
NPO法人の海外ボランティア等、社会的貢献度の高い案件が多いのが特徴的。
国内唯一のグローバル系クラウドファンディングサイト。専任のスタッフが英訳してくれるため、海外の人からの支援も期待できる。 アメブロでお馴染みのサイバーエージェントが運営しているクラウドファンディングサイト。アニメやゲーム、グルメ、美容品などオシャレなプロジェクトが充実。 大手IT企業を渡り歩いてきたメンバーで創設されたクラウドファンディングサイト。業界で唯一Tポイントや楽天スーパーポイント等のポイントで出資を行える。
運営会社名 株式会社CAMPFIRE READYFOR株式会社 アレックス株式会社 株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディング 株式会社WESYM
サービス開始時期 2011/6 2011/3 2012/9 2013/8 2011/10
手数料 支援総額の5% 支援総額の17% 支援総額の20% 支援総額の20% 支援総額の20%